南アフリカで開催される2010年ワールドカップまで30日を切り、代表メンバー発表や怪我人情報が相次ぐなど大会のムードが日を追うごとに高まっているが、一瞬目を疑うような事態に気づいた。北朝鮮代表についての不思議である。

1. 登録メンバーの不思議

5/14に発表された本大会登録メンバー23名は、予選の時からほぼ固定メンバーで戦っていたために大きな驚きはなかった。しかし、予選データと見比べてみると1つの問題点が浮上する。まずは以下の写真を見てほしい。

写真のキム・ミョンウォン(Kim Myong Won)選手はGKとして登録されているが、予選では背番号7をつけて戦っていたフォワードなのである。

FIFAマッチリポートを見ていただきたい。ベンチに入っているキム・ミョンウォン選手は85分に途中出場している。控えGKとして、18番のキム・ミョンギル(KIM Myong Gil)選手がベンチ入りしているため、GK同士の選手交代ではない。

更にわかりやすいものは以下の写真だ。

フィールドプレイヤーとして出場し4番をつけているのがキム・ミョンウォン選手である。3人目のGKというのは、試合に出場する可能性はきわめて少ない。しかし、フィールドプレイヤーをGKとして登録し、その枠を利用したのは後にも先にも北朝鮮だけだろう。日本代表も「GK前田遼一」などを誕生させる勇気であったのかもしれない。

2. ユニフォームの不思議

北朝鮮代表は予選では前半がhummel、後半はPEAKというメーカーのユニフォームを使用していた。Hummelのキットは市販されマニアックな人気を呼んだが、PEAKは中国のメーカーということもあり、ほとんど市販はされなかったばかりか、mizunoのデザインのパクリではないか?と問題視された。

そんな北朝鮮代表がワールドカップで使うのはAstore社のモデルだといわれている。理由は、親善試合でAstore社のモデルを使用したからである。

スペイン語で「大鷹」を意味するAstore社は、スペインのバスク地方で誕生したメーカー。スペインではなじみのブランドで、バスク選抜やレアル・ソシエダ、エルクレスといったチームを手がけているが、地域密着の企業でこれまで海外のスポンサードをしたことはなく、公式サイトのスポンサードしているサッカーユニフォーム一覧ページでも北朝鮮代表の写真はない。

この場合に考えられるのは、「普通に売っているシャツに国旗とナンバーを貼り付ける」という発想である。意外に感じられるかもしれないが、マイナーな代表チームにはよくある手段であり、webショップを回っているとFootball JというページのAUT80107という商品と、北朝鮮代表が試合で着用していたシャツがほぼ同じであることがわかる。

私のほうでも海外の取引先にワールドカップのシャツの入荷状況を聞いているのだが、32カ国で唯一北朝鮮だけは未定という返事が返ってきている。真相は闇の中だ。


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