◆成長の一途を辿る、ブンデスリーガ◆

ほんの数年前まで、ブンデスリーガの位置づけは、欧州三大リーグと呼ばれる、イタリアのセリエA、イングランドのプレミアリーグ、スペインのリーガ・エスパニョーラの下位にあった。それは、欧州リーグでの成績や代表選手の所属数など、様々な見方を複合した上でサッカーファンが格付けしたものである。だが、近年のドイツサッカーは、不動であった彼らビッグ3を蹴落とす勢いを見せており、昨季はインテルがチャンピオンズリーグを制したことで辛くもセリエAは一命を取り留めたが、ブンデスリーガで欧州リーグランキングでセリエAを抜き、チャンピオンズリーグ出場権を増加させる可能性すらあったほど。代表チームも、EURO2008、2010W杯と二大大会をまたがって準優勝を獲得。世界中の視線がドイツに傾きつつあると言っても過言ではない。今季、香川がドルトムントへ、矢野がフライブルクへ移籍したことで日本国内での注目度は高まっているが、その関心度の向上は、日本だけではないのだ。

◆本命なき大混戦◆

そして現在、その注目度を倍増させるような現象がブンデスリーガで起きていることをご存じだろうか?近年のブンデスリーガと言えば、欧州の有名リーグの中においては、比較的チャンピオンチームが変動しやすく、バイエルンという不動の存在があるとはいえ、2006-2007シーズンにはシュトゥットガルト、2008-2009シーズンにはヴォルフスブルクがマイスターシャーレを掲げるなど、話題にことを欠くことがなく、優勝チームを占い難いリーグと知られている。

だが、今季ほど予想が立たないシーズンは珍しいだろう。第7節の消化時点で、常勝軍団バイエルンは12位に沈み、その下にはチャンピオンズリーグにも参戦中のブレーメンが、さらに、昨季国内リーグで2位となり、内田篤人も所属するシャルケが17位。そして、なんと最下位には、ほんの3年前まで国内王者であったシュトゥットガルトの名前あるのだ。逆に、上位陣は新鮮そのもので、首位には開幕から7連勝中のマインツ、2位には名門復活の兆しを見せているドルトムントが座り、3位のハノーファー、5位のフライブルク、9位のザンクト・パウリなど、上位以下にも意外な顔ぶれが並んでいる。

内田の所属するシャルケの不振は日本代表にも悪影響あり!?

この雰囲気は、「インテルとその他」という構図が定着してしまったセリエA、「チェルシーかマンチェスター・ユナイテッドにしか優勝の望みがない」とも言われるプレミアリーグ、「バルセロナとレアル・マドリーを盛り上げるためだけの集まり」とも揶揄されるリーガ・エスパニョーラなど、マンネリズムが漂うそれらビッグリーグにはないものであり、それはブンデスリーガの勢いを大きく後押しする原動力となっているのだ。

(筆:Qoly編集部 T)

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