第7回~ 南欧・東欧編(3)

すっかり、季刊になってしまった当コラムだが、決して私が悪いわけではない。冬の移籍期間中のプレマッチで活躍したことで興味をもったクリスティアーン・シモン(1月からフェイエノールト所属)の記事を書こうと思ったが矢先、日本人である我らが宮市選手の前に後塵を期すなどなかなか面白い展開になっていて画面から目が離せなかった、それだけの話である。

名前
ヨアニス・フェトファツィディス
Ioannis Fetfatzidis
国籍 ギリシャ
生年月日 1990/12/21 (20歳)
身長/体重 165cm/64kg
所属 オリンピアコス

オットー・レーハーゲルの辞任から約半年が経ち、EURO2004~2010年W杯という長いタームで活躍してきたメンバーに見切りをつけて若返りを目指しているギリシャ代表だが、若きタレントは上の世代に押しつぶされることなく伸び伸びと育ってきた。そんなわけで、以前も同代表FWクツィアニクリスについて“ギリシャのメッシ"と紹介したのだが、“さらに"新しいメッシがでてきてしまったのだ。その名はフェトファツィディス。ギリシャ語に近い表記に直すとフェトファジディスになるが、いずれにせよ何とも日本人には発音しがたい名前だ。

父も下部リーグでプレーしていたフットボーラーであり、その遺伝子を受け継いだ二世戦士でもあるフェトファツィディスは、オリンピアコスの下部組織で育ったが16歳の時点で身長は151cmしかなく将来の成長そのものが危ぶまれた。下部組織を卒業する頃に身長を14cm伸ばし165cmとなったことでプロ・キャリアをスタートさせるが、こうした身長の逸話も“ギリシャのメッシ"と呼ばれる遠因になっている。トップチームでは2009年11月のチャンピオンズリーグ・グループリーグ、スタンダール・リエージュ戦にてデビューを飾ると、クラブでは、100%レギュラーとまでには至らないものの翌2010年には、ギリシャU-21代表、A代表両方から招集されデビューを飾っている。165cmの小さな体をいかしたドリブルは小さなスペースでもするすると抜けていき、相手の裏をかく様な行動も大得意とメッシからの流れにのった流行りのドリブルスタイルといえる。こうしたシンデレラ・ストーリーに“ギリシャのライジング・サン"などとも例えられるフェトファツィディスは9月にはオリンピアコスとの契約を大幅に変更。2015年までの契約と、大幅な給与増を勝ち取った。移籍金も見直され125万ユーロに設定されている。

ちなみにギリシャ人はギリシャのメッシとつけるのが好きな様で、パナシナイコスでデビューし、EURO2012予選では代表レギュラーにも定着しそうなニニスが1人目、先に紹介したクツィアニクリスを2人目と数えることで“3人目のメッシ"とも呼ばれている。彼がギリシャのメッシだけでなく、“碇シンジ"になれるかは近い将来わかるだろう。