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2011年11月15日(火) - 金日成スタジアム(平壌)
DPR Korea
1
0-0
1-0
0
Japan
パク・ナムチョル
50'
得点者




2試合を残して最終予選進出を決めた日本。タジキスタン戦から中3日、場所を平壌に移して北朝鮮とのアウェイゲームに望んだ。相手のファンに埋め尽くされた競技場と人工芝のピッチ、そしてフィジカル重視の戦い方に苦戦し、ザッケローニ体制となってから初の敗北を喫した。

内容でも立ち上がりから一貫して相手の力が勝る展開となった。3バックを採用してきた北朝鮮は、「サイドを攻めても最終ラインには人数がある程度残り、激しいプレスで日本の前線に基点を作らせない」守りで組織を安定させ、一方攻撃でも、パク・グァンリョンの高さとスピード、豊富な運動量を生かしたフレキシブルなポジショニングで攪乱に成功。チョン・イルグァンやパク・ナムチョルの上がりでサイドバックを引きつけ、外で一対一を作ってクロスに持ち込んだ。

立ち上がりから無理なシュートが多かったチョン・テセを前半のうちに下げてからは、北朝鮮の戦術はさらに徹底された。パク・グァンリョンは入ってくるハイボールにほぼ100パーセント勝ち、サイドに流れればドリブルで突破を成功させる大活躍で攻撃を牽引。途中出場のパク・ソンチョル(スタメンのボランチとは別人)もスピードを生かして彼をサポートした。

日本はその北朝鮮の攻めに苦しんだ。パワープレーでは押し込まれ、サイドではマークの受け渡しを余儀なくされて細貝がサイドのカバーに奔走。中村も下げられてしまい、サイドを抉られる、前でボールが収まらないの二重苦に陥っていた。

前半途中に中村と長谷部がポジションを交換するような形で4-3-3となり、岡崎が前に残るようになったことでトップへのサポートはやや増加した。しかし後ろに下がった中村は、人工芝のピッチに苦しんだか、ミスが多くゲームを作ったり、落ち着けることが出来なかった。結果として日本の縦パスの多くはカットされ、試合の流れを大きく変えることには失敗した。

そして後半開始から5分、セットプレーから失点を喫することとなる。しかもこの試合で大きな鍵となった、パク・グァンリョンを止められなかったことによるものだった。栗原が突進してきたパク・グァンリョンと接触してセットプレーを与え、リ・グァンチョンがゴール前にフィード。再びこれをパク・グァンリョンがヘッドで落とし、パク・ナムチョルがシュート。力はなかったが、これがゴール右隅の絶妙な位置に吸い込まれて先制点となった。

その後、日本は多くの策は打った。岡崎や清武はより中央にポジションを早く取るようになり、前田の後ろよりもバックヘッドやスルーなどから裏を一発で取るポジショニングを試したし、ザッケローニ監督は3-4-3へのチェンジを決断し、遠藤、香川は休めたもののハーフナー、李、内田を投入。最後は相手の得意技パワープレーをやり返す選択もした。だが結局最後まで試合の流れをこちらに引っ張ってくることは出来ないままに、試合終了の笛を聞くことになってしまった。

日本にとっては内容、結果ともに非常に悪い試合であった。しかし逆に言えば、ここのところ出ていた問題が全て出た格好でもあるし、いつかは訪れる敗北が消化試合に巡ってきたことは幸運と言うほかない。選手も、スタッフも、そして我々ファンも、先日の韓国戦の大勝から続いていた慢心を断ち切り、謙虚に次に向かえというお告げなのだと前向きに考えるべきだろう。

(筆:Qoly編集部 K)

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