「成績を残し、経験を積んで機会を待つ」
12月31日、スポーツソウルは「挑戦2013」と題した企画を掲載。その第一弾として、サガン鳥栖の監督を務めているユン・ジョンファン氏のインタビューを掲載した。
(ACL出場まで後一歩、惜しかった)
「悔しくないはずはないな。もし行ければ(かつてコンビを組んだ)チェ・ヨンスのFCソウルと一緒になることもあっただろうけど。まあ、もしACLに行っていたら、私たちと戦うKリーグのクラブはかなり負担になっただろう。こっちは失うものがないからね」
(いつ韓国に?)
「先月23日に。今年は休暇が短い。今月初めは10日ほどコロンビアで外国人選手を探してきた。南米は初めてだったが、興味深かった。昨年はプレミアリーグを見回ってパク・チソン、イ・チョンヨンなどに会った。来年はブラジルに行ってみたい」
(鳥栖はJリーグで旋風を起こした)
「昇格したてのチームがJ1で成績を残すのは難しい。5位まで上がったのは我々が最初らしい。様々な記録を打ち立てたので注目された。事実、開幕前には専門家が選んだ降格候補最有力チームだった」
(スターなしでの成功の秘訣は?)
「日本の記者も聞いてくるが、毎回説明するのが難しい。3年前にコーチを引き受けたときから、選手にプロ意識を植え付けてきた。基礎から固めながら2~3年をかけてしっかり作られたチームだからだ」
(シーズン中に変化は?)
「開幕したときは、皆に不安があった。しかし予想を裏切って勝利を重ねると、選手たちに自信が芽生え、希望を持つ力が生まれた。何より、私の言葉を聞いて成功を経験したことで、信頼がより強くなった。
ビッグゲームの後は、選手同士で話し合っていた。チームが苦しいときにも、『今日は監督のために走ろう』という話が出ていたと聞いて、感動した。これこそ監督の醍醐味だ」
(ニックネームは「鬼」だそうで?)
「ハードな訓練を課している選手たちが付けてくれた。おそらく練習の強度は我々がリーグ一位だろう。もちろん、『必要があるんだ』と実戦で納得できる練習をさせることが重要だけどね。限界までやりきっておけば、試合に負けても心が揺らぐことはない」
(スランプがなかったと聞いたが?)
「10月に1回だけ3連敗した。1部残留が確定し、私も選手も緊張感が緩んでいた。その時に選手たちが目を覚ましてくれて、チームの結束力はより強くなった」
(鳥栖はどんなサッカーを?)
「組織的なチーム。個人が弱いためにカウンターを重視するが、守備に重点を置くよりも、攻撃時に前方に向かってパスを送る。日本では『他のクラブにはない姿がある』『組織力を土台に、最後まで諦めない闘争心とチャレンジングな姿勢が面白い』とも聞いた」
(昇降格制度を導入したKリーグに対して助言を)
「私もJ2から始めた。選手は『私が2部でやるなんて…』、『恥ずかしい』などの不満、自己嫌悪は何の役にも立たないということを覚えておかなければならない。昇格というよりも、明確な目標意識を持ってより強いチーム、より良い選手になるための機会にするべき」
(チェ・ヨンス氏のFCソウルが優勝したが?)
「先日電話した。選手を自慢していたけども、彼は本当に変わった。試合に勝ったとき、負けたときのインタビューを見れば分かる。選手を信じて、まとめて、チームを向上させる。だから成績を残せた」
(今では鳥栖の有名人だ)
「少しだけね。来年は市に関連する行事にも沢山参加しなければならないような雰囲気なので、心の準備はしている。我々のようなチームは、地域密着が重要だからね」
(韓国に帰って監督をしたくないか?)
「当然の願いだ。いつになるか分からないが、Kリーグでも、代表でも評価されたい欲がある。鳥栖と2年間の契約延長をしたので、成績を残し、経験を積んで機会を待つつもりだ」
(2013年の目標は?)
「基本的にはJ1残留。成績を出したからと言って、翌年の残留が保証されるわけではない。さらに言えば、今年よりも良い成績を残したい。ACL出場権獲得にも挑戦しなければならない。しかし、それでも我々の主な目的は残留だ」
(筆:Qoly編集部 K)