現地時間17日、ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー連盟は、サフェト・スシッチ監督を解任したと発表した。

サフェト・スシッチは1955年生まれの59歳。現役時代から天才プレーヤーとして知られ、あのイヴィツァ・オシム氏率いるユーゴスラビア代表の中心的選手として活躍した。

そんなスシッチ氏は2009年にボスニア・ヘルツェゴビナの代表監督に就任。以降、2010年W杯および2012年欧州選手権ではともにチームをプレーオフ進出に導き、2014年W杯予選ではグループGを首位で通過し悲願の出場権を獲得した。10試合で30得点という圧倒的な攻撃スタイルが注目を集め、激しい民族対立ゆえに悲しい紛争を経験した国民にとって英雄的な存在であった。

しかし、W杯終了後のスシッチは全く結果を出せず。4試合が終了した欧州選手権の予選ではここまで2分2敗と未勝利が続いており、キプロスやイスラエルといった格下相手に白星を献上。中でも昨日のイスラエル戦では3-0と完敗を喫し、ベテラン選手を重用し続けてきたことからセンターフォワードが1人もいないという状態での戦いを強いられていた。

『FIFA.com』によれば、連盟は「EURO2016予選の突破は疑問符がついており、連盟の執行委員会はサフェト・スシッチ監督およびチームスタッフを解任することを満場一致で決定した」と声明を発表したという。

なお、EURO2016予選がスタートしてから欧州チームで監督が交代するケースはこれが4例目。ギリシャ代表はクラウディオ・ラニエリを解任しており、テムリ・ケツバイア氏はグルジア(現ジョージア)代表を、テムリ・ケツバイア氏はセルビア代表監督をそれぞれ辞任している。

母国を夢の舞台へと誘ったあのリトアニア戦からおよそ1年。代表チームの強化に大きな功績を残したサフェト・スシッチの冒険は志半ばで終わりを告げることとなった。

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