Jリーグにまた一人、スロベニア代表経験を持つ選手がやってきた。

ネイツ・ペチュニク。まだ28歳という現役バリバリのアタッカーだ。

人口約205万人。日本の都道府県では岐阜県(17位)と同じくらいという小国スロベニアだが、Jリーグでの実績は光るものがある。

今季もJ1で実績を残したミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチやズラタン・リュビヤンキッチ(※日本での登録名は「ズラタン」)のほか、2008年から2009年にかけて大宮アルディージャで活躍した同じFWのクレメン・ラフリッチ。さらに少し前にさかのぼると、ジェフユナイテッド市原のジェリコ・ミリノヴィッチ、「浪速の板前」ことガンバ大阪のアミール・カーリッチなど守備的な選手もプレーしていた。

彼らに共通するのは、いずれも現役のスロベニア代表選手として日本へやってきたことだ。

「チェコと分かれた国でしょ?」といまだにスロバキアと間違われることも少なくないスロベニアだが、1991年にユーゴスラビアからの独立を宣言して以降、激戦の欧州予選を勝ち抜いて既に2002年、2010年と2度のW杯に出場。しかも、EURO2000を含め3度の本大会出場はいずれもプレーオフの戦いを制してものであり、「ここ一番の勝負強さ」という点では欧州でも高い評価を受けている(ロシアなどは逆に低い)。

その2度目のW杯出場を果たした、2010年の南アフリカ大会、特に予選において活躍を見せたのがペチュニクである。

1986年1月3日にスロベニア北部、数kmも行けばオーストリアとの国境というドラボグラードに生まれたペチュニクは、フットボーラーとしての才能を評価され、2002年に中堅クラブのツェリェへ加入。そこでプロになると、2005年から2008年にかけては主力としてプレーし、2007-08シーズンには35試合の出場でチームトップの14ゴールをあげた。

この活躍が評価され、翌2008-09シーズンにスパルタ・プラハへローンで加入するもチェコの地では結果は残せず、半年での帰国を余儀なくされる。

そして2009年、ポルトガルのナシオナルへ移籍してから彼のキャリアは一気に花開くのだった。