『賢人』が植え付けたのは、相手に応じて変化する柔軟なシステム

「シャイフ(賢人)」という愛称を持つラバー・サーダヌ。これは決して博士号を持っているからだけではない。

彼は欧州でプレーした経験もなければ、ビッグチームを率いた経験もない。ところが、彼は2012年にアフリカ国際スポーツ代表大会において「アフリカ史上最高のコーチ」に選ばれている。

ワールドユース出場1回。ワールドカップ出場3回。それを全てアルジェリアという国で達成したという圧倒的な実績を持っているのだから当然ともいえる。

(ラバー・サーダヌ氏)

彼のサッカーの特徴は、「徹底した戦術的サッカー」である。フォーメーションは相手に合わせて変えるのが当たり前。両サイド左右非対称はもはや定石のうち。試合が始まってみなければ最終ラインの形さえ予想できない。

そういう意味では、「エル・ロコ(奇人)」と呼ばれ畏れられているチリの名将マルセロ・ビエルサにも近いものを持っている人物である。

『アフリカ最高の知将』と呼ぶべき名監督は、低迷したアルジェリアを見事に立て直し、現在に至るまでの基盤を作った。

そして、3大会ぶりの出場となった2010年アフリカネイションズカップでは4-4-2、4-2-3-1を使い分けて戦い、実に20年ぶりの準決勝進出を果たすことになる。

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