いよいよ来年に迫ったリオデジャネイロ五輪。サッカー競技も各地域で予選が繰り広げられる季節となった。

アジアでも現在、A~Jという10ものグループからなる一次予選が行われており、昨日は日本代表がマカオを相手に見事な大勝を収めた。

アジアの分布図から見ると日本や韓国、オーストラリアなどは俗に言う「東地区」に割り振られている。日本のメディアはこちらの情報は(割と)報じているが、その一方で中央・西アジア、中東などの「西地区」の情報は極端に少ない印象を受ける。

今回はオリンピック予選における「西地区」がどのような様相になっているか、注目選手を交えて紹介したいと思います。

グループA

オマーン(開催国)、イラク、レバノン、バーレーン、モルディブ

展望

タレントを多く抱えるイラクが優勢か。

1月のアジアカップに出場したDFアリ・アドナン(チャイクル・リゼスポル)、MFフマール・タリク(アル・ドフラ)は欠場するものの、FWカリームら攻撃陣にタレントを多く抱える。3/23にはU-23代表DFマフディ・ザハラが爆発に巻き込まれ死去するという悲しいニュースが起きた。悲しみを乗り越えチームは一致団結できるか。

開催国オマーン、ドイツのケルンIIでプレーするFWフィリップ・マオリ(20)を擁するレバノンにもチャンスがある。

注目選手

◆名前
シェルコ・カリーム(グラスホッパー/SUI)
Sherko Kareem

◆国籍
イラク

◆生年月日
1996年5月25日生まれ(18歳)

◆ポジション
FW(Central Forward) / MF(Left Midfield, Right Midfield)

◆コメント
イラク国内外から「イラクのクリロナ」と呼ばれ、将来を嘱望されている新星FW。

アンダー世代から代表に選ばれ続け、2013年に行われたFIFA U-17W杯では予選リーグ第2戦で準優勝に輝いたメキシコ代表相手にゴールを決めている。

今年3月には所属するイラク・プレミアリーグのアル・ショルタからスイスの名門グラスホッパーへ移籍。新天地での飛躍、更なるステップアップのために、イラクが4位に輝いた2004年のアテネ五輪以来となる本大会出場へと導けるか。

プレースタイルは“本家"そのものだ。

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