5月11日、『Inside』は「サッカーレックス・アジアフォーラムで講演を行った元FIFAセキュリティ顧問のクリス・イートン氏は、中国とインドの八百長問題を指摘した」と報じた。

この話は以前から『Eurosport』など各所で報じられてきたが、最も詳しい内容になっていたのでご紹介する。

クリス・イートン氏は1952年生まれの63歳。オーストラリア連邦警察で長官として勤務した後、インターポールで国際的な政治汚職の捜査を担当し、2010年からFIFAのセキュリティ部門のトップを務めていた。

大きな話題となったシンガポール人の八百長フィクサー、ウィルソン・ラジ・ペルマル容疑者による一連の事件の捜査でも中心的な役割を果たしていた。

(参考)NYタイムズ紙が追った、ワールドカップに迫る魔の手(1)(2)(3)(4)(5)

2012年にはFIFAを離れて国際スポーツセキュリティセンターのディレクターに就任。サッカーに限らず世界中のあらゆる競技で行われる汚職を監視している人物である。

彼は中国やインドなどアジア地域で行われている八百長ビジネスに対抗するためには政府の行動が必要だと話し、現在は法の整備が追いついていないと訴えた。

クリス・イートン
(国際スポーツセキュリティセンター エグゼクティブディレクター)

「監督され、管理され、透明性があり、合法的に行われているスポーツベット(賭け)がある。しかし、そこでは不正なギャンブルより遙かに動いている金は少ない。どのような競技でもそうだ」

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