才能豊かなタレントを数多く輩出したことから、かつて「東欧のブラジル」と呼ばれたのはバルカン半島に位置する国家ユーゴスラビア。

1990年初頭に崩壊した同国は歴史上何度か国名を変えており、国家体制や領土もその都度変更になっている。つまり、「ユーゴスラビア」という国家を一言で定義することはできないのだ。

しかし、中でもサッカー競技で最も結果を残したのは、第二次世界大戦以降のユーゴスラビア社会主義連邦共和国時代であろう。

当時のユーゴスラビア代表はオリンピックで5つのメダルを獲得しており、EUROでも2度の準優勝を果たしている。デヤン・サヴィチェヴィッチやドラガン・ストイコヴィッチといったスーパースターを輩出し、あのイヴィツァ・オシムも代表チームを率いた。

世界を代表する強豪だったそんなユーゴスラビア代表は、ユーゴスラビアの崩壊とともに消滅した。サッカー協会は独立し、現在では7つの代表チームに編成されている。

では、ユーゴスラビアという国家が今でも存在していれば、その代表メンバーはどれほど豪華なのだろうか?

今回は、現役選手の中からそのドリームチームを選んでみた。

なお、選出の対象となるのはクロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、セルビア、モンテネグロ、コソボを第1国籍とする現役の選手。基本的にはこれらの代表チームでプレーする選手の中から選び、編集部Sの判断で最も強いであろう11名を選んだ。

※例えばズラタン・イブラヒモヴィッチはボスニア・ヘルツェゴビナの血を引いているが、代表チームではスウェーデンを選択しているため今回は選出しない。上記した「第1国籍」というのは、こうした意味である。

GK:サミール・ハンダノヴィッチ(スロベニア)

世界を代表する鉄腕GK。2010年W杯での好パフォーマンスで一気に株を上げ、現在はインテルの守護神に。世界最高クラスのゴールキーピングに加え、抜群の反射神経を備えゴールを防ぎまくる。PKでも驚異的な阻止率を誇る。

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