6日、ユヴェントスはアンドレア・ピルロの退団を発表した。

2011年夏、ミランからフリートランスファーでユヴェントスに活躍の場を移したピルロ。年齢や怪我などからユヴェントスへの移籍については疑問視する声もあったが、そこから先の活躍はご存知の通りである。

まるで全盛期を彷彿とさせるパスセンスでユヴェントスの攻撃を司り、完全に“再生”。クラウディオ・マルキージオやアルトゥロ・ビダルと世界屈指の中盤を構成すると、チームのリーグ4連覇に大きく貢献した。イタリア代表でもチームの中心的存在となっており、36歳にして未だ「世界最高のレジスタ」という称号を欲しいままにしている。

ここ数年のユヴェントスの躍進を語る上で、ピルロの存在は欠かせない。それゆえ、今回の退団はチームにとっても打撃となるだろう。

さてそんなピルロのユヴェントス退団からおよそ1時間後、早くもその移籍先が発表されている。そのクラブは、ニューヨーク・シティFCである。

シーズン終了後からすでにニューヨーク入りしていたことから、ほぼ確実と言われていた今回の移籍。移籍はある程度予想できたことであり、各国メディアもこのニュースを淡々と伝えていた。

しかし、このニュースを目にしたサッカーファンの中には、こうした疑問を抱いた人も少なくないはずである。

「っていうか、最近よく聞く『ニューヨーク・シティFC』ってぶっちゃけ何者なの?」

デイヴィッド・ベッカムやティエリ・アンリなどがプレーしたことで、アメリカサッカーの知名度は日本でもそれなりに向上した。ロサンゼルス・ギャラクシー、ニューヨーク・レッドブルズ、トロントFC―。これらのクラブ名は多くのサッカーファンが聞いたことがあるはずだ。

しかし、「ニューヨーク・シティFC」というワードが登場したのはつい最近のこと。にもかかわらず、ダビド・ビジャやフランク・ランパードといったスター選手が次々に移籍を発表し、ついにはあのピルロまで加入することになった。

「誰かに聞くのは恥ずかしいけど、ぶっちゃけニューヨーク・シティFCがどんなクラブかちゃんと分かっていない」という人は決して少なくないはずだ。

そこで今回は、今世界から注目を集める謎のクラブ、ニューヨークシティFCについて簡単にまとめてみることにしたい。

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