先日、Qolyではアゼルバイジャン代表MFジャヴィド・ヒュセイノフが殺人の容疑で逮捕されたことをお伝えした。

軽くおさらいをしよう。ジャーナリストのラシム・アリエフが存命中に証言したところによれば、ヒュセイノフのいとこと名乗る人物に食事に誘われ、待ち合わせ場所に向かったところ5~6名の男性に暴行を受けたという。ラシモフ氏は搬送先の病院で先週日曜日に息を引き取った。

弁護士は無罪を主張か

この事件についてアゼルバイジャンの『Trend』紙によると、ヒュセイノフの弁護士は刑事処分から免れる可能性を示唆した。

それによると、「ヒュセイノフはいとこをジャーナリストであるアリエフ氏と話し合いに行かせたことが証明できれば刑事処分から免れる可能性がある」と話した。 つまり、「話し合いに向かわせた」だけで、親族とラシモフ氏の間にトラブルが起き突発的な暴行が行われたというのが弁護士の狙いだ。

また、アリエフ氏を担当した医者が適切な処置をしたかどうか責任問題も報じている。

通常では、考えにくい主張だが、この事件の闇が深いのはどの国にもある近隣諸国との摩擦の問題が背景にあるからだ。

キプロスの南北問題

キプロスは、韓国と北朝鮮の様に南北で国が分断されている。我々がキプロスと呼んでいるのは南キプロスであり、北側は北キプロス・トルコ共和国となっている。その名前の通り、トルコの軍部が占領して勝手に独立したものであるため、トルコ以外の国からの国家承認は受けていない。そのため、北キプロス代表はFIFAにも加盟しておらず、FIFIワイルドカップやVIVAワールドカップといったFIFA非加盟の国を集めた大会にのみ参加している。


動画は2012年のVIVAワールドカップ、クルディスタンVS北キプロスのもの。

南キプロスはギリシャ系住民がほとんどで親ギリシャであり、北キプロスはトルコ系住民がほとんどで親トルコである。では、ここで何故アゼルバイジャン人が絡んでくるのであろうか?

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