ついに開幕を迎えたイングランド・プレミアリーグ。昨季の王者チェルシー、覇権奪還を狙うマンチェスター・シティ、そしてアーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、リヴァプールも大きな投資を行っており、上位の争いは激しい。

しかしこのところの放映権高騰によって、下位のチームにも豊かな資金が与えられるようになり、世界的なタレントが全てのチームに分散するようになった。

「プレミアリーグは上位のチームでも油断は出来ない」

その言葉を裏付けるように、今季はチェルシーが開幕から1分け1敗と苦戦し、ジョゼ・モウリーニョ監督の解任オッズも急上昇。

アーセナルもウェストハムとのロンドン・ダービーで敗北し、アーセン・ヴェンゲル監督も緊急的な補強に動いているといわれている。

そのダービーマッチでアシストを決め、さらに第2週のレスター・シティ戦でもゴールを決めるなど注目を集めているのが、フランス代表MFディミトリ・パイェットである。

今夏マルセイユからウェストハム・ユナイテッドに移籍したパイェット。その価格は1500万ユーロ(およそ20.4億円)と、クラブの格を考えればかなり大きな補強であることは間違いない。

しかし、リーグ・アンで何年もめざましいプレーを見せてきた選手としてはまさにバーゲン・プライスだ。

ヤニック・フェレイラ・カラスコ(モナコ→アトレティコ・マドリー)が2000万ユーロ(およそ27.2億円)、ジョフレイ・コンドグビア(モナコ→インテル)が3000万ユーロ(およそ40.7億円)。ジョーダン・アユー(ロリアン→アストン・ヴィラ)が1200万ユーロ(およそ16.3億円)である。

しかし彼らと比較してパイェットが劣るところは年齢くらいである。

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