インド洋の島で生まれ、ナントで強烈なデビュー

ディミトリ・パイェットは1987年生まれの28歳。

フランスの海外県であり、インド洋上に浮かんでいる人口100万人以下の島レユニオン出身という珍しい選手だ。

リーグも決して豊かな状況で運営されてはいない(先日ジブリル・シセがこのリーグで短期間プレーすると発表され話題になった)。しかし、ここからはフランスのトップリーグで活躍出来る選手も多く生み出されてきた。

かつてU-17代表で世界王者となり、大きな話題になったフローラン・シナマ=ポンゴル。かつてPSGで活躍し、現在はヤングボーイズで久保裕也の同僚となっているギヨーム・オアロー。そしてパイェットとリールで同僚だった長身FWロニ・ロデラン。

その中で、若くして地元サン・ピエールで天才と高く評価されたのがディミトリ・パイェットだ。12歳で育成の名門ル・アーヴルに見出されてフランスへと渡ることになった。

その後環境に馴染めなかったために一度故郷へと戻っているものの、2005年に再びフランスへ。ル・アーヴルと並ぶ名門ナントとアマチュア契約を結んだ。

そして、再び欧州へと渡った彼は初年度からリザーブリーグで得点を量産する活躍を見せ、トップチームでも数試合に出場。そこでも初ゴールを決め、期待の若手に。

2006-07シーズンは彼にとって最初のブレイクとなり、開幕戦から「ルーマニアの怪童」クラウディウ・ケシェルと共にベンチ入りを果たした。

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この時はまだ身体能力が未完成であったものの、圧倒的な技術を見せて30試合に出場し、後半戦ではナントの中心選手に成長したものの、チームは降格。1部での戦いを求めたパイェットは、ここでサンテティエンヌへの移籍を決断する。

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