2. ブルサスポルはこんなクラブ

少し前置きが長くなってしまったが、ここからは細貝が新たにプレーするブルサスポルに迫ってみよう。

ブルサスポルは1963年に創設されたクラブである。トルコリーグが創設されたのは1959年のことであり、ブルサスポルは国内では比較的古いクラブであるといえる。

そんなブルサスポルは、トルコ1部の中堅クラブだ。

クラブカラーは緑と白で、2014-15シーズンはリーグ戦を6位でフィニッシュ。UEFAヨーロッパリーグへの出場圏内である4位とは勝ち点2差だった。カップ戦では準決勝でフェネルバフチェを下し決勝進出。ガラタサライ相手に一時は2-2の同点に追いついたが、惜しくも2-3で敗れ準優勝に終わっている。

ブルサスポルにはトルコリーグでの優勝経験がある。上述した通り、トルコリーグではイスタンブールの“三強”以外が優勝したケースはこれまでに7度しかないのだが、そのうちの一つが2009-10シーズンにリーグ制覇を果たしたブルサスポルなのだ。ちなみに、シュペル・リギで優勝したのはわずかに5チームしかいない。

なお、ブルサスポルの本拠地であるブルサはトルコ北西に位置する都市だ。

マルマラ海の南部にあり、一年の最高気温は30.8度、最低気温は1.6度ほど。瀬戸がホームとするアンカラのオスマンルまでは車で4時間ほどとやや距離があるらしい。

ちなみに細貝はトルコリーグでプレーする3人目の日本人選手である。1人目は2006-07シーズンにガラタサライに在籍していた稲本潤一、2人目はこの細貝より一足お先にトルコ移籍を決めていた前述の瀬戸貴幸である。

3. ブルサスポルの在籍選手とこの夏の動き

細貝を獲得したブルサスポルは、この夏積極的な選手補強を見せた。

主な加入選手は以下の通りだ。

DF:ダニー・ヌンク(fromガラタサライ)
MF:バラージュ・ジュジャーク(fromディナモ・モスクワ)
FW:イサーク・クエンカ(fromデポルティーボ)
FW:トマーシュ・ネツィド(fromズウォレ)
FW:ミロスラフ・ストフ(fromフェネルバフチェ)
FW:トム・デ・スッテル(fromクルブ・ブルッヘ)

いずれも欧州の中堅クラブでまずまずの活躍を収めたタレントであり、これらの選手がこの夏一度にブルサスポルへと加入したのだ。

細貝のメインポジションは、セントラルハーフだ。

ブルサスポルでは昨シーズン、オザン・トゥファンとフェルナンド・ベルスキがボランチを組むことが多かったのだが、両者はこの夏ともに退団している。新シーズンではトルコ人MFサミル・シナズとチェコ人MFクリストーバル・ホルケラがコンビを組んでおり、細貝はこの2人とポジション争いをすることになりそうだ。なかでもホルケラは運動量が豊富で決定的なパスを出せるということで、細貝との相性もバッチリ…かも?

ちなみに、昨シーズンはフィオレンティーナなどで活躍したGKセバスティアン・フレイや、このほどHJKヘルシンキへの移籍が決まったDFタイ・タイウォもブルサスポルでプレーしていたが、この2選手もこの夏クラブを去っている。

今シーズンのリーグ戦は、連敗スタートとなったブルサスポル。細貝がこのチームでどんな働きを見せるか、今から楽しみである。

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