9月のインターナショナルマッチウィーク、FIFAランキング2位のベルギー代表はEURO2016予選2試合を戦った。

ボスニア・ヘルツェゴビナ戦とキプロス戦は、いずれもベルギーが勝利。これで勝ち点を17にまで積み重ね、次節のアンドラ戦で勝利すれば本大会への出場が決定する。近年メキメキ力をつけているベルギーだが、最後に欧州選手権に出場したのは2000年大会のこと。この時は1勝2敗でグループステージ敗退となっている。

さて、そんなこの2連戦でともにゴールしたのがベルギーの中心的選手、エデン・アザールである。

3日に行われたボスニア・ヘルツェゴビナ戦、ベルギーはエディン・ジェコにゴールを許し先制される展開だった。しかし、そこからマルアヌ・フェライニとケヴィン・デ・ブライネのゴールで逆転に成功し、迎えた78分、鋭いドリブルからアザールがPKを獲得し、ペナルティマークへと向かった。

PK職人と知られるアザール。相手を欺くようなキックでこれまで何度もPKを成功させており、世界でも屈指のPKキッカーである。

しかし、この日ボスニア・ヘルツェゴビナのホールマウスを守っていたのはこの夏チェルシーに移籍してきたアスミル・ベゴヴィッチであった。チェルシーに加入してまだ間もないとはいえアザールとは同僚にあたり、練習などでもアザールのその独特なPKを目にしているはずである。

相手GKを倒してから蹴るタイプのアザールにとって、何よりも嫌なのは「最後まで我慢されること」だろう。ベゴヴィッチもアザールのキックの特性を知っているためその行方に注目が集まったのだが…結末はあっさりとしたものだった。

【PKシーンは01:00頃から】

同僚GKを相手にしても、全く慌てるそぶりを見せないアザール!

まるでベゴヴィッチが飛ぶ方向を察知していたかのように逆を取り、冷静かつ豪快にゴールを沈めた。

これまでQolyでは「アザールはなぜPKが上手い?」ということが一発で分かる写真が話題に」といった記事で、アザールのPKを静止画を用いて見てきた。

静止画で見る度にアザールのキックがいかに特徴的であるかが分かるのだが、今回も静止画を見てみよう。

【次ページ】今までのPKとはちょっと違っていた、ベゴヴィッチ相手のアザールのPK