日本代表FW南野拓実が所属するオーストリアのレッドブル・ザルツブルクは親会社の豊富な資金力を生かし、世界中から「金の卵」をかき集めている。

そうした若い選手はまず、ザルツブルクの実質2軍である2部のFCリーフェリンクへ送られ実戦経験を積むことになる。その分かりやすい例が今夏、京都サンガから加わった奥川雅也であるが、同チームにはそんな奥川と同じ境遇の韓国人FWがいる。ファン・ヒチャンだ。

ファンは1996年1月生まれ、学年でいえば奥川より1つ上だが同じ19歳である。

小学生の頃から優れた得点感覚を発揮して注目を集め、その後、年代別の韓国代表で活躍。浦項スティーラーズの下部組織からそのまま昇格すると思われていたが、今年1月、南野拓実と時を同じくしてザルツブルクと5年契約を結んだ。

セレッソで実績を積んでいた1歳年上の南野がすぐにザルツブルクでプレーし始めたのに対し、プロ経験のないファンはまずリーフェリンクの所属となった。

最初の半年で記録したゴールはわずかに2つだったが、今シーズン開幕以降はコンスタントに得点を加算。出場したここ3試合では5ゴールを決め、トータル14試合9得点と爆発しているのだ。

ポジションが違うとはいえ、奥川がここまで1ゴールであることからもファンの決定力が際立っているのが分かるだろう。

ファンは3日に行われた第16節アウストリア・ルステナウ戦でも2ゴールを決めたのだが、2点目のゴールはお見事だった。

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