世界各国のクラブが大枚を叩いて外国人を補強し、戦力の充実を図るこのグローバルな時代に、バスク人の純血主義を掲げるアスレティック・ビルバオは異端の存在である。

同じバスク地方のライバル、レアル・ソシエダが時代の流れに抗えず、1989年に外国人の獲得を解禁したのに対し、ビルバオは21世紀を迎えた現在もバスク人以外のプレーを頑なに制限し続けてきたのだ。

ただ近年はその規制が緩和されつつある。

・両親、もしくは直系の先祖がバスク人であること
・本人がバスク地方の出身者であること
・本人が幼少期にバスク地方へ移住し、ユース以下の年代にバスクのクラブでプレーしていること

基本的にこれらの条件を1つでも満たしていればビルバオでプレーすることが可能となり、2011年にはクラブ初の黒人選手(ホナス・ラマーリョ)も誕生した。

現在のチームにもガーナ人の父親とリベリア人の母親の間に、ビルバオで生まれた21歳のFWイニャキ・ウィリアムスがいる。

ウィリアムスは昨季トップデビューを果たすと、今年2月のEL・トリノ戦で初得点を決め、クラブ117年の歴史で初めてゴールを記録した黒人選手となった。

そのウィリアムスは8日に行われたラ・リーガのエスパニョール戦で先制ゴールを決めたのだが、これが同日のビジャレアル戦で世界を驚愕させたネイマールのスーパーゴールに匹敵するものとして話題を集めている。

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