キム・スンギュ / 김승규 / 金承奎

蔚山現代→ヴィッセル神戸

蔚山現代の下部組織で育成され、16歳でドラフト指名を受けたというゴールキーパーだ。18歳でKリーグでの初出場を果たし、キム・ヨングァンのサブを数年務めた後、2012年の終盤からレギュラーを奪取した。

デビューからレギュラーまではしばらく時間がかかったものの、その後はKリーグベストイレブン1回、Kリーグ・オールスターの2年連続GK部門投票1位(昨年は出場辞退)など順調にキャリアを積み重ねている。

ロンドン五輪のチームを率いていたホン・ミョンボ監督は、クラブで出番が少ない頃から彼を起用していたものの、本大会ではチョン・ソンリョンのオーバーエイジ選出によってメンバー落ちを喫する。

しかし逆に2014年ワールドカップでは、大会中にそのチョン・ソンリョンからポジションを奪い返すことに成功した。

187cmという大柄な身長を持ち、優れた反射神経とセットプレーでの対応力を備える。昨年夏にはギリシャの名門オリンピアコスからもオファーが来たという。

彼は12月に行われたホン・ミョンボ氏主催のチャリティーマッチを終えたあと、「蔚山に長い間留まっていた。新しい環境で新たなスタートを切らなければならない」と話した。

契約は残り1年だった。FA権を取得していたチョン・ソンリョンとは違い、いくらかの移籍金が発生しているものと考えられる。

『朝鮮日報』は「韓国人GKの海外進出では史上最高額の移籍金となる15億ウォン(現在のレートでおよそ1.4億円)が発生した」と伝えている。

ちなみに、韓国人GKの移籍で最も高額の移籍金は2011年に水原へと移籍したチョン・ソンリョンの20億ウォン(現在のレートでおよそ1.9億円)である。

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