今回取り上げるのは、レアル・マドリーで定位置を掴みつつあるケイロル・ナバスだ。

29歳のコスタリカ代表守護神は、スペインリーグ、W杯を通じて実力を証明し続けた。欧州のトップクラブで若いうちからレギュラーを掴んでいた訳ではない叩き上げの守護神は、常に多くのシュートを浴び、それを封じることで腕を磨き続けた。

マヌエル・ノイアーやジャンルイジ・ブッフォンといった世界の頂点として評価される男たちに比肩するまでに至った彼は、コスタリカでは文字通り「英雄」だ。コスタリカ代表史上初のベスト8は、彼無しで成し遂げられるものではなかった。凱旋帰国には多くのサポーターが集まり、コスタリカ紙は彼を何度となく一面で取り上げた。

昨夏も、マンチェスター・ユナイテッド移籍が寸前でストップ。レアル・マドリーが追いかけ続けたスペイン人守護神デ・ヘアと交換されると思われた男は、今季実力を証明した。デ・ヘアの報道を下火にさせるほどに、彼のパフォーマンスは際立っている。

昨年10月、元バルセロナBで現在セルタで主軸として活躍するマヌエル・ノリートは、試合を終えると彼を讃えた。

「マドリーの守護神は、全てを止めた。彼が大きな差を作り出したよ。不可能なセーブがいくつもあった」と。

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