ケイロル・ナバスの語るGK論

レバンテ時代、高難易度なセービングを連続したことで彼は注目を浴びるようになった。当時のインタビューで、彼はこのように語っている。

「僕は自分が手に入れるべきものを知っているし、今まで進んできた道を行くだけだ。

選択ミスというのは避けなければならない。

称賛の言葉を落ち着いて受け入れ、自分のモチベーションを高め、集中していくための糧としていかなければならない。」

派手なセービングとは異なり、ピッチ外での彼は非常に冷静だ。称賛を受けても、その姿勢が揺らぐことは無い。冷静さは、常に1プレーで評価が変わってしまうGKに必要な資質と言っても良いだろう。

プレーにおいても、彼はその冷静さを重要視する。

「ピッチで落ち着いていること。それこそが、正しい選択を生む。常に集中し、明確な目的を持つことが重要だ。また、自分の武器であるスピードを最大限に生かせるように工夫している。」

「最も難しい、激しい状況で冷静でいられるか。それがGKに求められる最も重要な資質だ。」

常に冷静沈着なセーブをこなすケイロル・ナバスは、情熱的なチームリーダーとしての顔も持つ。

W杯でベスト8にチームを導く前に『BBC』が行ったインタビューで彼は「チームはW杯で、死ぬまで戦う覚悟が出来ている。恐れはない」と躊躇なく答えている。「自らの選択には、全て責任を持つ」とも語ったように、その強い責任感も魅力だ。

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