ヴィトーリアFC と ヴィトーリアSC(ポルトガル)

これが正式名称だが、あまりにも分かりづらいのでポルトガルリーグでも「ヴィトーリア・ギマランエス」と「ヴィトーリア・セトゥバウ」と呼んでいるライバル同士だ。

先に設立されたのは「FC」のヴィトーリア・セトゥバウ。エンブレムから分かる通り、1910年当時は自転車がメインのクラブだったと考えられている。

その他にもハンドボールや柔道、空手、卓球、陸上、ラグビー、ビーチサッカー、各種格闘技など非常に多くのセクションを抱える総合スポーツクラブである。

この街出身のジョゼ・モウリーニョがファンであることでも知られるセトゥバウであるが、近年花かなか好成績が残せず、残留争いのシーズンが多い。

ただ、2013-14シーズンは7位となり、昨季はリーグカップでベスト4まで進むなど、時々活躍を見せることも。

また、2009-10シーズンの開幕前にはなんと27名もの選手を放出したというエピソードも。

一方、「SC」の方は1922年の設立。こちらもバレーボールやバスケットボール、水泳、格闘技や卓球、フットサルなどでも知られる総合クラブだ。

そして、この名前は実は――当時優勝候補だったヴィトーリア・セトゥバウへのオマージュなのである!

「弟分」のような存在であるわけだが、サッカーの面では兄を追い越してしまった。1941年のリーグ参加から2部降格はわずか2回だけ。

タイトルこそ少ないものの、2012-13シーズンにはカップ戦を制覇した経験もあり、「ビッグ3」(ベンフィカ、ポルト、スポルティング)に次ぐ4番目の位置をブラガと争っている立場だ。

ちなみに観客数で言えばベンフィカ>スポルティング>ポルト>ギマランエス>ブラガといった感じだ。

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