フランスでのプレーは…

プロクラブのユースに所属したことのない彼は、ブローニュに入団した際にこのような評価を受けていた。

「運動量や身体能力は申し分なく、態度も良く、頭も良い。しかし戦術的に問題がある」

しかし当初から評価されていた真面目さと学習能力からか、彼はすぐにフランスリーグの舞台に溶け込んで見せた。

現在では「守備的な選手」という印象がついているカンテであるが、ブローニュ、そして2013年に移籍したカーンでは主に右のインサイドハーフを務め、攻撃面でも多くの役割を任されていた。

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カーンの1年目には主にニコラ・スーブ、ジョゼ・セーズ、ローラン・アグアジなどを守備的なパートナーとし、攻撃面ではジェローム・ロテン、ファイサル・ファジル(現デポルティーボ)と組んだ。

2年目は初めてのリーグ・アンで、守備はジョルダン・アデオティ、攻撃面はトマ・レマール(現モナコ)、ジュリアン・フェレにパートナーが変わった。

しかし、一貫してカンテのポジションは3センターの右インサイドハーフ。おそらくここで求められていた攻撃能力が、彼の「やれること」を増やしたという点もありそうだ。

ともかく、当時から高く評価されていた圧倒的な運動量に加え、ボールを奪ってから前に持ち出していく爆発力、ドリブル、縦横無尽のポジショニングで「非常に汎用性が高い選手」と評価された。

フランスリーグで名を上げた彼には、2013年の段階からニューカッスル・ユナイテッドやマルセイユらが関心を寄せていたとも言われている。

そして昨年ついにレスター・シティと契約してイングランド・プレミアリーグに進出したわけだが、その結果は見ての通りである。

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