皆さん、こんにちは、駒場野です。

日本サッカーに遅れて、世の中も4月1日から新年度に入りました。今年も各企業でいろいろなネタが振られ、Jリーグでも「東京ヴェルディーズ」というベースボールクラブの発足とグッズ販売・オーダー投票の発表がありましたが……そのせいで、「ザハ・ハディド氏急逝」のニュースが今でも信じ切れません。致命的な欠陥があった原案を採用するのは反対でしたが、その後の新国立競技場問題の迷走は、彼女にとっても非常に不幸な事態でした。どうか安らかにお休み下さい。

そう、その新国立の件で長引いていたので見送った話題の一つが、障害者サッカーでした。

しかし、これは本当に4月1日の決定で、7つの連盟が参加した統括団体になる「日本障がい者サッカー連盟」(JIFF)が発足しました。同連盟は日本サッカー協会(JFA)の協力団体として加盟し、運営面でもJFAの北澤豪理事が会長、グラスルーツ推進部の松田薫二部長が事務局長として全面的にサポートする体制を作りました。

≪ステージ前に映し出された「JIFF」のロゴ。中央の赤い輪は、「無限大の可能性」を示す「∞」の記号。同時に、JFAと障がい者サッカー7団体、合計8団体の連帯を示すとも≫

第1回会議後に行われた記者会見には、スポーツ庁の鈴木大地長官、日本障がい者スポーツ協会と日本パラリンピック委員会の両組織を兼務する鳥原光憲会長が駆け付け、さらにシリア戦の前に収録したというフル代表の長谷部誠・川島永嗣・香川真司の3選手も動画メッセージを寄せました。

記者会見場のヴァーチャルスタジアムは盛況で、この日に正式就任した田嶋幸三JFA会長も「新会長の初仕事がこれだった事を嬉しく思います。私の実家も長崎で肢体障害者の授産施設を運営していたので、障がい者の皆さんの事は身近に感じていた」と笑顔満面で語っていました。

「日本障がい者サッカー連盟」(JIFF)公式サイト
http://www.jiff.football/

≪記者会見場の「JFAヴァーチャルスタジアム」の上に掲げられた、JIFFのスローガンと各参加団体のロゴ≫

ただ、この日までには長い時間がかかり、今でも多くの課題が残っています。今回のコラムではその部分を掘り下げてみます。

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