クラブ創設120年を迎えたスイスの名門FCチューリッヒが来季2部へ降格することになった。

スイスの国内リーグは10チームが4回戦総当たりで36試合を行い、最下位になった場合にのみ降格するシステムとなっている。

最終節を迎える段階で最下位に沈んでいたものの、勝利すれば残留の可能性を残すチューリッヒは、25日に行われたファドゥーツ戦に3-1で勝利し勝ち点を34に伸ばした。

しかし、残留を争う9位ルガーノもザンクト・ガレンに3-0で快勝し勝ち点を35としたため、チューリッヒの最下位と降格が決まってしまったのだ。

FCチューリッヒは1896年創設で、国内リーグ12度、国内カップ8度の優勝を誇り、1963-64、1976-77シーズンにはUEFAチャンピオンズカップで準決勝に進出した歴史を持つ名門クラブだ。

スイスのクラブというと、柿谷曜一朗(現セレッソ大阪)が今冬まで在籍し、今季、7連覇の偉業を達成したFCバーゼルをまず思い浮かべるだろう。

バーゼルは優勝回数こそグラスホッパーの27度に遠く及ばない19度だが、「スーパーリーグ」という現在の名称になった2003年以降の13シーズンで10度の優勝と、その強さは圧倒的だ。

一方、バーゼルが優勝を逃した3シーズンを制したのは実はいずれもこのチューリッヒで、2005-06シーズンに25年ぶりの優勝を果たすと、翌シーズンに連覇を達成。2008-09シーズンには12度目となる栄冠を掴んでいた。

それ以来、優勝からは遠ざかっていたものの、ここ3シーズンも4、5、3位と、決して悪くない成績であった。しかし今季は開幕から躓き、途中、あのフィンランド代表DFサミ・ヒューピア氏に再建を託したが、なかなか浮上のきっかけを掴めなかった。

しかも酷かったのが4月下旬以降だ。

同24日に久保裕也が所属するヤングボーイズに0-3と敗れて以降、怒涛の5連敗で一気に最下位へ転落。ヒューピア氏は今月12日、最終節を待たずに指揮官を解任され、結局チームはそのまま降格の憂き目に遭ってしまったのである。

中盤以降、チューリッヒ、ルガーノ、ファドゥーツの3チームが残留争いを繰り広げたが、最後に失速したのがチューリッヒだった

チューリッヒは120年の歴史の中でほとんど2部を経験したことがなく、今回の降格は1988年以来28年ぶりのこととなる。

なお、チューリッヒは国内カップでは勝ち上がっており、29日に決勝が行われるが、その対戦相手が最後まで残留を争ったルガーノというのはなんとも皮肉なものである。

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