『Sports Illustrated』は25日、「アメリカ代表FWジョジー・アルティドールが、ハイチでコパ・アメリカの試合を見られるように寄付をした」と報じた。

開幕を間近に控えるコパ・アメリカ・センテナリオ。開催国のアメリカ代表は、本番前の強化試合で3連勝し、良い雰囲気でコロンビアとの初戦(3日)を迎える。

そのアメリカ代表に、残念ながらエースFWジョジー・アルティドールの名前はない。アルティドールは現在、遠藤翼も所属するカナダのトロントFCでプレーしているが、23人のメンバー発表直前に行われたMLSの試合でハムストリングを負傷し、6~8週間の離脱を余儀なくされてしまったのだ。

無念の欠場となってしまったアルティドールだが、今回のコパ・アメリカを両親の出身国であるハイチで観戦できるよう手配したのだという。

「ハイチが出場権を獲得した時、私はそれがちょうどクールなことだと思ったんだ。彼らは(1974年の)ワールドカップ以来メジャートーナメントに出場していなかったからね」

『Sports Illustrated』の電話取材に対し、アルティドールはこう答えた。

ハイチは日本が初出場する20年以上も前の1974年にワールドカップに初出場するなど、カリブ海地域ではジャマイカなどと並ぶ強豪国だ。

一方、世界で最も貧しい国の1つであることも広く知られている。先月、日本は熊本県を震源地とした大地震に見舞われ、50人近い犠牲者が出たが、2010年にハイチで起きた同規模の大地震では、インフラが整っていないこともあり犠牲者は30万人以上にも上った。

アルティドールはそんな貧しい祖国を以前より支援している。大震災の際には救援活動を支援する寄付を募り、2014年には非営利団体(NPO)と協力し、400人以上の村に綺麗な水を提供した。

「ハイチには代表の試合を見られそうにない地域、人々がたくさんいるんだ」

そんな祖国の窮状に、アルティドールは今回も動いた。

報道によると、コパ・アメリカのハイチ、アメリカ両代表の試合と、準決勝、決勝の試合を見られるように大型のプロジェクター・スクリーンをマイアミから送り、さらに子供用に小さなコートを作って食品や飲料を支給するのだという。

これらはアルティドールの財団が資金を提供し、キリスト教系の聖ルカ財団がさまざまな面を手配するとのことで、この模様はニューヨークにある映画会社によって、将来のドキュメンタリーのために撮影されるようだ。

コパ・アメリカのグループBに入ったハイチは6月4日にペルー代表、8日にブラジル代表、12日にエクアドル代表と対戦することになっている。

いずれも南米の強国が相手だが、アルティドールは

「私は彼らが一部の人々を驚かせられると思っているし、そうなることを期待しているよ」

と、祖国の快進撃に期待を寄せた。

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