世界にサッカーのリーグ戦は数あれど、「世界最高」と評されるリーグはそれほど多くない。その有力候補として名前が挙がるリーグの一つに、イングランドのプレミアリーグがある。

「母国」イングランドにおけるフットボールの長い歴史、その中で育まれた文化を持ち、現在はファンも世界中に存在。試合自体もエキサイティングで、エンターテイメントの高さは多くの人が納得というところだろう。

そんなリーグに昨シーズン、ちょっとした“異変”が生じた。

前の2014-15シーズン、終盤の奇跡的な追い上げで辛くも残留したレスター・シティが、勢いそのままに開幕から快進撃。そして、最後まで首位を守り切り、「プレミアリーグ」が創設された1992年以降6チーム目のチャンピオンに輝いたのだ。岡崎慎司の活躍もあり日本でも大きな話題となった。

一方、本来優勝を争うべき強豪たちの多くは不調に陥っていた。シーズン中に監督交代を敢行したチェルシー、リヴァプールはそれぞれ10位と8位。CL出場権最後の1枠もマンチェスター勢の2チームが争う形だった。

レスター優勝という結果はそれだけ実力が拮抗したリーグだとも考えられるが、どこか引っかかりが・・・。

ところで、ここに一つの動画がある。イギリス国内でプレミアリーグを放送する『Sky Sports』が、毎年プレミアリーグのシーズン終了直後に放送している短い総集編、いわゆるモンタージュ動画だ。

個人的にも毎年楽しみにしていて、これはお気に入りの一つである2011-12シーズンのもの。マンチェスター・シティが奇跡的な優勝を遂げたシーズンといえばすんなりと思い出されるはずだ。

劇的な最終節以外にも様々な出来事があり、見ていると自然に気持ちが昂ってくる。

しかし一方で、気づくことも。それは登場する選手の豪華な顔ぶれだ。

アーセナルに全盛時のロビン・ファン・ペルシー、リヴァプールにはルイス・スアレス、トッテナムにもギャレス・ベイルやルカ・モドリッチがいた。ロベルト・マンチーニ監督との対立で一時はシティを離れるも、シーズン後半に復帰して優勝に貢献したカルロス・テベスも印象深い。

もう一つ忘れてはいけないのが、この2011-12シーズン、ヨーロッパ王者に輝いたのはチェルシーだったということ。ミュンヘンのアリアンツ・アレーナで迎えたバイエルンとの決勝、土壇場でディディエ・ドログバが同点弾を決め最終的にPK戦で勝利した一戦は、最後にイングランドのチームが欧州の頂点を争った試合でもある。

何が言いたいのかといえばそう、「プレミアリーグのレベルって、以前と比べて落ちた?」ということだ。

ただ、印象で決めつけるのは良くない。それを物語るようなデータが何かあるだろうかと考えてみた。

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