筆者名:能登正人

「海外で底辺から頂点へ。 世界中を股に掛ける、“さすらいフットボーラー”」 セレッソ大阪の下部組織出身で、高校卒業後は、スペイン、ドイツ、タイの数クラブでプレーし、2015年にはジェフユナイテッド千葉・市原でJリーグを経験。 2016年にはラオスのラネサン・ユナイテッドに移籍してシーズン優勝を飾った。今季からはインドネシアに活躍の場を移し、ペルシバ・バリクパパンでプレー。当コラムでは、生活の様子やインドネシアのサッカー事情、文化面などを“ゆるーく”配信。


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ブログ: オフィシャルブログ

皆さんはじめまして、能登正人です。

先日、Qolyさんでも紹介して頂きましたが、現在、インドネシアリーグ1部のペルシバ・バリクパパンというところでプロサッカー選手をしている者です。

この度、プライベートでもお付き合いのあるQolyさんに声を掛けてもらい、定期連載を始めることにしました。正直言って、これまでにこのような経験はありません!

ですが、海外での生活やインドネシアのサッカー事情、文化面などを伝えて行くと同時に、このコラムを通して自分も成長していけたらと思っているので、拙い文章にどうかお付き合いくださいませ。

さて、記念すべき第一回目は、「どのように、インドネシアのチーム、ペルシバ・バリクパパンへの移籍が決まったか」についてを書こうかなと思います。

僕は、毎年シーズン終盤になると「来期はどこへ行こうかな」と考えるのが好きなのですが、今回に関して言えば、僕と代理人は、年末までバンコクにあるチームとの契約の話を進めていたので、当初は年明けにチームに合流してサインするという予定で進めていました。ですが、1月頭にタイのバンコクへ渡り、チームの練習場へ行ってみると、25人を超える外国人がそこにはいました・・・。そして、そこで初めて気が付きました。「これはセレクションなんだ・・・」と。

まぁ、俗に言う、“海外あるある”です。「言ってた話と全く違う」ってやつですね。

でもまぁ、来たからにはやるしかないわけで、いきなり紅白戦に参加!結果、5日間で6人まで絞られ、チームからの連絡を待つということになりました。

しかし、3日を経過しても全く連絡はなく、ただ待たされるという日々が続きました。でも、この3日が、僕にとっては転機になりました。ここで、また、ふと気が付いたんです。

「もし、そんな対応をしてくるチームからオファーが来ても、心から楽しんで僕はプレーすることが出来ないな」と。そして、「そんなチームに行って本当に幸せなのかな」と。

タイは、1年半前にプレーしていた国なので、僕にとっては勝手が分かり、居心地が良い場所でした。でも、それは裏を返せば、「居心地が良すぎるために甘えてしまう」という危険性もありました。僕は自身の“弱さ”を知っていたので。

ということで、一度下した決断を変え、タイから離脱。すぐに、移籍マーケット的に次の狙い目としてマレーシアかインドネシアに絞り、どちらに行こうかと考えたのですが、バリに知り合いの方がいることを思い出して連絡を取り、翌日にはバリに飛んでいました。「何でここにいるんだ?」とか難しいことを考えず、とにかく飛びました。

そして、「何が今やりたいかな」って考えたとき頭に浮かんだのが、サーフィン!

・・・ここまで文章書いてきましたが、つくづく僕は少しイカれてるなと実感してきました(笑)

ですが、いざサーフィンをやってみるとパドリングは、上体をすごく使うので泳ぎもあり、波に乗るのもバランスを取らないといけないので、その動きはどれもトレーニングとしては良いことばかりでした。何よりキツいけど楽しいんですよね。僕はすっかりサーフィンに夢中になりました。朝は5時半に起きて、知り合いの方に付き合ってもらい、お昼の2時ぐらいまで6日間毎日やっていたぐらいです。

と言いつつも、その間もちゃんとサッカーのことも考え、インドネシアのサッカー事情を知り合いの方に手伝ってもらいながら調べ、今のチームの練習参加のチャンスを掴みました。そこから後は自分を出すだけなので全てが順調に進み、最後のトレーニングマッチでは1アシスト1ゴール。これが決め手となって正式契約という流れで今に至ったわけです。

まとめると、僕はサーフィンしてチームが決まったってことになります(笑)

書いてる自分が「アホやな」って一番分かってますが、これは紛れもない事実です。普通なら「サーフィンなんかやってる場合じゃねーだろ」ってなるとは思いますが、僕はそんなこと“1ミリ”も考えていませんでした。「すべてのことは繋がってる」。その考えと直感に従って目の前のことに一生懸命になった結果です。

僕にとっては、海がオフトレーニングの相手になってくれたことで、心に余裕も持て、波の流れに身を任せることで、物事がいい方向に進んだのかもしれません。ですが、何をするのも同じこと。人生は何が起こるか分からないウルトラアドベンチャーです。やっぱり、「楽しいことに対して、真摯に一生懸命やることが大切なんだな・・・」と実感したのが、今回の移籍でした。

と、こんな感じで、僕のめちゃ“ゆる~い文章”の連載第一弾は終了とさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。

「サーフィンやってチーム決め」 正人

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