4. 観戦スタイルの変化

他に『DAZN』が大きく変えるものとして、観戦スタイルがあるだろう。

より正確に言えば、サッカー中継のメインストリームが「テレビ」から「インターネット」に移行することで起きる変化である。

一つ目は、視聴するデバイスだ。

『DAZN』はオンデマンドサービスであり、PCやタブレット、スマートフォンでの視聴を前提としている。そのため、大画面のテレビで見たい人は新たな出力方法を検討しなければならない

現在、様々なまとめサイトや個人ブログで出力方法の比較が特集されている。

「Google ChromeよりInternet Explorer(Microsoft Edge)の方が綺麗」や「ミラーリングで十分」といった声が挙がっているが、それでも結局は使用しているデバイスのスペックやインターネット環境、機器の相性によって映像の見やすさは変わってくる。

対応機種が増えてきているとはいえ、「サッカーはテレビで見たい」という人にとってはしばらく試行錯誤が続くことになる。

二つ目は、「Twitter観戦」の減少である。

インターネット中継がはらむ根本的な問題として、遅延(レイテンシー)がある。

どれほどハイスペックかつ高スピードの環境で『DAZN』を利用しても、実際の試合より20-30秒近いディレイが確認されている。

これは『DAZN』特有の問題ではない。

先駆者的存在であった『スカパー!オンデマンド』でも『J SPORTS オンデマンド』でも、『スポナビライブ』でも『NHKのスポーツアプリ』でも『gorin.jp』でも見られた現象で、インターネット配信者は未だこのタイムラグを克服できていないのだ。

その理由はいくつか考えられるが、『DAZN』のジェームズ・ラシュトンCEOはその理由について、『BuzzFeed Japan』の取材に対し「配信スピードと映像の質のバランス」を挙げている。

Jリーグとの契約10年本当に続ける?サーバーは大丈夫? DAZNのCEOに聞く
(BuzzFeed Japan 2017/2/17) 

https://www.buzzfeed.com/tatsunoritokushige/jleague2017

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