以下がデビューしてから今日までの1年強での記録である。 

エンバッペが1年で達成した記録一覧

2015-16シーズン

プロ初ゴール:2016年2月20日トロワ戦(リーグ・アン)17歳62日での記録。アンリの持つモナコ史上最年少ゴール記録を破る。

2016-17シーズン

プロ初ハットトリック:2016年12月14日レンヌ戦(リーグ・カップ) 19年ぶりとなるリーグ・カップでのモナコ選手のハットトリック。つまり、自身が産まれてからは初めての出来事。

リーグ・アン初ハットトリック:2017年2月11日メス戦 18歳1ヶ月での達成は近年ではジェレミ・メネズ(当時ソショー)の17歳に次ぐ記録。

CL初ゴール:2017年2月21日マンチェスター・シティ戦 18歳2ヶ月で達成。カリム・ベンゼマ(当時リヨン)に次ぐフランス人史上2番目に早い記録。

リーグ・アン2桁ゴール達成:3月5日ナント戦 前身のディビジョン・アン含めリーグ・アンでのここ30年で最も若い2桁ゴール達成者に。ちなみに882分出場での達成なので1試合1ゴール以上のペースで量産。5アシストしていることを考えると1試合で2ゴール近くに絡んでいる計算。

フランス代表デビュー:3月25日ルクセンブルク戦(W杯予選) 18歳95日でのデビューは1955年以降で最速。

いずれも、彼の凄まじさが窺い知れる記録ばかりだ。記録だけでなく評価も半端ではない。昨夏には早くもその才能に目を付けたマンチェスター・シティが実績からすればあり得ない4000万ユーロ(およそ46.6億円)という額でオファーし、モナコが拒否したとレキップ紙が報じた。

気になるプレースタイルは?


この他にも神童エピソードは枚挙に暇がないが、ここでプレースタイルを説明しよう。 爆発的なスピードを活かした裏への飛び出しが最大の武器で、この一芸に関してはマンチェスター・シティ戦で証明した通り世界レベルでも通用する。テクニックも十分以上のものを持ち合わせており5アシストを記録、ゴールだけでの選手ではない。

ポジションはウイングかセカンドトップ。体格が特別恵まれているわけではないので、対応可能とはいえ1トップ向きの選手だとは言い難い。 ポテンシャルに関しても、逸材揃いのフランスで最強を誇る。得点パターンや守備貢献を増やすなど改善の余地はたっぷり残されているからだ。同ポジションで同世代のフランスの若手は1歳上のウスマヌ・デンベレ(ドルトムント)やジャン=ケヴィン・オーギュスタン(PSG)などがいるが、彼らと比較するしても大舞台での実績は既に勝っており、次世代のフランス代表左ウイングは彼にとって"約束された場所"だろう。

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