一部の国際大会で採用され始めているPK戦の新方式、「ABBAルール」。

従来のように先行と後攻が一人ずつ順に蹴るのではなく、一回ごとに先攻と後攻が入れ替わるというものだ。

例えばAとBが戦うとして、「A1→B1→B2→A2→A3→B3→B4→A4→A5→B5」という順でキックが行われることになる。

このルールが提唱され始めた理由は、「先攻と後攻との間に優位性に差があるのでは?」という仮設が立てられたからだ。常に追いかけることになる後攻チームの方が精神的に不利という見方があり、「先攻チームの60%が勝利する」という有意なデータも出ているという。

つまり、旧来のPK戦では先攻側が若干有利であった可能性があるわけだ。

であるならば、「ABBAルール」の導入によってこの傾向はどのように変わったのだろうか?

この「ABBAルール」はまだ試験段階になり、これまでのところU-17欧州選手権、U-17女子欧州選手権、U-20ワールドカップという3つの国際大会でテストされている。

サンプルこそ少ないが、今回はその全結果を見てみることにする。

U-17欧州選手権2017 準決勝 スペイン 対 ドイツ

スペインの1人目:成功(○)
ドイツの1人目:失敗(×)

ドイツの2人目:成功(○)
スペインの2人目:成功(○)

スペインの3人目:失敗(×)
ドイツの3人目:失敗(×)

ドイツの4人目:成功(○)
スペインの4人目:成功(○)

スペインの5人目:成功(○)
ドイツの5人目:―

→4-2でスペインの勝