「ブレずに」戦い続けた先に

19試合を終了し、9勝4分け6敗の8位。混戦のJ2とはいえ、1年でのJ1復帰を最大ミッションとするクラブにとって、今の順位は受け入れられるモノではない。

特にリーグワースト6位の28失点を喫している守備が課題で、クリーンシートはわずか2試合だけ。得点はリーグトップだけに、守備の整備がきちんとできれば、安定した成績を残すことができるはずだ。

だが、風間監督に哲学を曲げるという考えはゼロだ。

直近のゲームで攻撃的MFの青木を左サイドバック、ボランチの小林をセンターバックへコンバートした采配からもそれはうかがえる。言わずもがな守備の微調整ではなく、ビルドアップの更なる向上を目的とした策である。相手より多く点を取れれば、勝ち続けることができる。「攻撃は最大の防御」というやつだ。

3連敗と厳しい状況に置かれる風間グランパス。しかし指揮官はこの状況を意に介していない。

「いろいろな意味でまだまだ技術を上げていかなければダメ」、「それをしっかりとやっていけば自分たちのペースで試合を進められる」という試合後のコメントは、目先の勝利ではなく、長い目でチーム作りを考えている証拠だ。

開幕当初から比べればパスワークのリズムも良くなっているものの、川崎時代のそれと比べれば完成度は4割程度といったところか。試行錯誤の末ようやく基本システム及び軸となる選手が固まってきた印象を受けるだけに、「ブレずに」戦うことが完成への近道だ。

「ローマは一日にしてならず」という有名なことわざがあるが、パスサッカーもローマ同様である。「ブレずに」戦い続けた先に昇格という2文字、そしてボールを握ることで試合を支配するという究極の理想を手にできると信じ、風間監督は今日も指揮を執る。

2017/06/18 written by ロッシ


筆者名:ロッシ

プロフィール: 1992年生まれ。1998年フランスW杯がきっかけでサッカーの虜となる。筆者の性格は堅実で真面目なため、ハビエル・サネッティ、長谷部誠、ダニエレ・ボネーラ、アルバロ・アルベロア、マッティア・カッサーニにシンパシーを感じている。ご意見・ご感想などありましたら、ツイッターアカウントまでお寄せください。

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