ここのところセリエAを戦うチームに見慣れない顔が目立つ。昨シーズン、史上初めてセリエAを戦ったクロトーネに続いて今季はベネヴェントが初めてセリエAの舞台を戦っている。

今回は今季昇格したベネヴェントを紹介しよう。

初のセリエAを戦う魔女の町

ベネヴェントはカンパニア州の山間にある小さな町だがかつてエジプトの女神イシスを信仰しキリスト教への改宗が遅れた。そのために街には“魔女伝説”が残る。人を幸せにする魔法を使うという言い伝えだ。

おらが街のチームであるベネヴェント・カルチョは1929年の設立と歴史があるが、決して規模は大きくない。そのためセリエCレベルでのプレーがほとんどであったが、2015-16シーズンにセリエB昇格を決めると、昨シーズンは5位で終えプレーオフの末にセリエA進出を決めた。史上初となる2シーズン連続での昇格を果たし、セリエAの晴れ舞台に乗り込んだ、凄いシンデレラストーリーとなっている。

カンパニア州に本拠地を構え、州都にあるナポリとはカンパニア・ダービーを戦う。ベネヴェントはその北東に位置する。今シーズンは、9月17日の日曜にアウェーで激突する予定となっている。

ダービーといっても忌み嫌いあう仲ではない。『OttoPagine』によると「何年もの間友情に結ばれた2チームのお祝い」「北部の強い力がほぼ常に勝つシーンで地域を再確認する」と“南部”同士のチームがセリエAで戦うことを誉れとしたような論調をおこなっている。

とはいえ、ナポリ側もアウェーの席がベネヴェントのサポーターで埋まることを危惧し、座席の追加販売は行わずアウェー側は少ない席数となっている。ナポリのチームカラーが水色と白なのに対して、ベネヴェントの黄色と赤はいかにも南部なチーム、でレッチェなどを彷彿とさせる。

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