イタリア代表のワールドカップ予選敗退が衝撃を与えている。

イタリアは過去4度も世界王者に輝いたサッカー界の超大国だ。彼らが出場を逃すのは1958年に行われた第6回大会以来60年ぶりで、不出場を除けば予選での敗退は2度目のこととなる。

その1958年は元号でいうと昭和33年、日本では現在の安倍晋三内閣総理大臣の祖父である岸信介が首相を務め、日米安保条約締結にまい進していた時代にまで遡る。

プロ野球では「打撃の神様」と言われた川上哲治が引退する一方で長嶋茂雄が巨人軍でデビューし、サッカー界では原博実、木村和司、金田喜稔、山本昌邦ら後の日本代表、また、メキシコ史上最高の選手であるウーゴ・サンチェスが生まれた年である。

この年の2月6日には、マンチェスター・ユナイテッドのチャーター機が墜落し、乗員乗客44名のうち23名が死亡(選手8名)する大惨事も発生した。この事故は、「ミュンヘンの悲劇」と呼ばれ、現在まで語り継がれている。

そして第6回のワールドカップは6月、今回イタリアを破ったスウェーデンの地で行われた。

予選でイタリアのほか、第1回優勝国のウルグアイが敗退するという波乱になったものの、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという英国4協会が揃って参加する歴史的な年に(日本は予選にもエントリーしていない)。

大会ではフランス代表のジュスト・フォンテーヌが現在まで破られていない1大会13得点を記録したが、栄冠を手にしたのはブラジル。当時17歳のペレが「ワールドカップ史上最も美しい」とも形容されるゴールを決めるなど、決勝で地元スウェーデンを5-2で破って初優勝を飾った。

改めて振り返ると歴史を学んでいるような気分になるが、おそらく多くのファンにとって「イタリアのいないワールドカップ」はまだ実感が沸かないのではないだろうか。