「20」のゴールが生まれた、明治安田生命J1リーグ第33節。今節もその中から編集部Tが独自にベストな“一発”を選出してみたいと思う。

まず第三位は、サンフレッチェ広島MF稲垣祥だ。

ヴァンフォーレ甲府から加入した今季は出場機会を掴むだけで苦戦していた印象だが、後半戦にレギュラーポジションを奪取するとチームの残留に貢献。

前節のヴィッセル神戸戦に引き続き今節のFC東京戦でも鮮やかなゴールを見せてくれた。

おそらく、パスを受け取ったワンタッチ目は理想としているものではなかっただろうが、すぐに修正して、なおかつ正確なシュートを放った技術は評価されてしかるべきだ。

続いて第二位は、アルビレックス新潟MF加藤大。

その圧倒的な運動量ばかりが注目されるが、この男は高精度の左足を兼ね備えていることを忘れてはならない。

清水エスパルスのGK六反がシュートのタイミングを取り損ねたとは言え、そのFKは精度威力共に抜群であった。

そして、最後に第一位だが、今回は横浜F・マリノスMF天野純を選出した。

前節は原川力のFKをベストゴールに上げて「新時代のFKアーティスト」と称したところだが、“AJ”こと天野純もその一人に入るだろう。

ベガルタ側にもいくつかのミス(壁の作り方、GK関の判断など)があり、本人も「完璧な一撃」とは評価しないかもしれないが、あの距離からファーサイドのゴールを射抜くことは簡単ではない。

一度ゴールマウスから外れたかのように見えた刹那、鋭く曲がって落ちたその弾道は、まさに“芸術作品”のようであった。