11日、モスクワ中心部、クレムリンのすぐそばにあるマネージ・スクエア(マネージ広場)で、スパルタク・モスクワを中心としたサッカーファンらによる集会(もちろん無許可)があり、数千人、あるいは数万人ともいわれる人々が集まった。ここは“立地の良さ”もありソ連時代からよく大規模な集会が開かれていた場所で、今回彼らは、6日未明、スパルタクのファンであるイーゴル・スヴィリドフがカフカス地方出身とみられる数人に殺害された事件の追悼と警察に対する抗議のため集結。そして、やはりというか、その一部が暴徒化し、治安部隊と衝突。多数の負傷者や逮捕者が出た。



広場から退去させられた暴徒の一部は、近くの地下鉄駅へとなだれ込んだ。

スパルタクは、ディナモ(内務省)やCSKA(陸軍)と違う、労働者のためのクラブとして1922年に誕生し、ロシア・リーグとなった92年以降、10年間で9度の優勝を果たした名門クラブ。労働者層を中心に国内で最も多くのファンを抱えているため、今回のような大規模な集会・暴動も十分に考えられる。ただ、同様の暴動はサンクトペテルブルクでも発生しており、近年ロシアで問題となっている民族主義勢力に今回の事件が利用されたという面もありそうだ。先日、2018年W杯の開催地に決まったロシア。本田の活躍や巻、松井の移籍もあり、日本のサッカーファンにとっても注目の国となりつつあるが、まだまだ国家として不安定なところは否めない…。

なお、先週行われたCL、ジリナ対スパルタクの試合で、スパルタクファンの暴動により試合が一時中断する事態が発生していたが、それは今回の事件に起因するものと考えて間違えないだろう。

◆ 10/11 UEFA CL Group-F 第6節 ジリナ vs スパルタク

(筆:Qoly編集部 O)

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