名古屋グランパス | 1 | - | 0 | 杭州扈ソ城 |
藤本(PK) |
77' |
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ホームで名古屋が杭州を破り、決勝トーナメント進出を決めた。怪我人の続出も影響したか、内容は決して良いと言えるものではなかった。しかし杭州が非常に消極的なサッカーをしてきたことが幸運だった。 リトリートで待ち構えてスペースを消してきた杭州。永井がスピードを生かせる場所はなく、かなり攻めあぐねる展開にはなった。ただ一方では、相手のカウンターの基点となる位置が低く、さらにマシエロを経由して時間が掛かるという傾向もあった。よって、これまで名古屋が苦しんできた「サイドバック周辺の守備の弱さから最終ラインが下がり、中盤と分断される」という弱点があまり表に出なかったのである。 攻撃ではなかなか有効な崩しを見せられずフラストレーションが貯まる展開ではあったが、むしろ不調の名古屋にとっては「負ける可能性は少ない」という有り難い状況になったといえる。もし終盤に杭州が仕掛けてきた早いサイドからのカウンターとパワープレーを最初から受けていたら、格段に苦しい展開になっていたのは間違いない。 相手の出方に助けられた名古屋は終盤、藤本の角度を付けたロングボールに途中出場の久場が飛び出し、キーパーと接触してPKを獲得。1度のやり直しを経たものの、冷静さを保った藤本がきっちりとゴールに決めて決勝点を奪取した。 |
メルボルン・ヴィクトリー | 1 | - | 1 | ガンバ大阪 |
レイジャー |
12' |
43' |
中澤 |
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オーストラリアでのアウェイ戦に臨んだガンバ大阪は1-1の引き分け。勝ち点1を獲得した。最終節ではこの後の試合で決勝トーナメント行きを既に決めた天津とのホームゲーム。勝利すれば自力突破が可能である。 ガンバにとっては厳しい試合となった。新布陣の4-2-3-1はあまり機能せず、いくらパスを繋いでもゴールに近づく効果的な展開に結びつかない状態。危険なパスミスを連発し、メルボルンにカウンターを許した。 そしてメルボルン側が狙った攻撃も機能した。フォスキーニ、バルガスはあまり上がらずにガンバを攻めに誘い、ボールを奪ったら素早くサイドに展開し、味方ウイングと相手サイドバックの1対1の状態を作る。そしてスピードを落とさずサポートが来る前に仕掛けることにより、強みである個人の能力を生かして崩しにかかっていた。 攻守共に安定しないガンバは12分にコーナーキックからレイジャーのヘッドを決められてしまい、先制点を許してしまう。前半終了間際には同じくコーナーキックから、山口のシュートが右ポストに弾かれたところを中澤が押し込んで同点に追いつくことに成功するが、試合内容は一向に上向かなかった。 終盤はメルボルンの運動量減少からチャンスも得たが、訪れた少ない決定機を生かすことは出来なかった。 |
天津泰霎セ | 3 | - | 0 | 済州ユナイテッド |
オルギン ウ・ウェイアン カオ・ヤン |
8' 21' 73' |
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「恐韓症」という言葉が知られるほど、中国のチームが韓国を苦手にしていることは有名だ。しかし天津は第1節に続いて済州をホーム&アウェイ共に撃破。しかも今回は内容も結果も大きく引き離しての快勝であった。 強力な外国人ツートップを使用してきた天津。この前線の「ボールを収める力」を最大限に利用し、シンプルなサッカーを完遂した。ターゲットのオルギンに素早くボールを送り、押し上がる時間を長くし、クロスやセットプレーからチャンスを作り出した。 試合開始間もない8分にコーナーキックからオルギンのヘディングが決まり先制すると、さらに21分にもセットプレーの流れから、左サイドから入ったリ・ベンジャンのクロスをリ・ウェイファンがヘッド。キーパーが弾いたところをウ・ウェイアンが押し込んで追加点を奪取した。 後半は済州の戦術変更から徐々にピンチを迎える場面も増えていたが、相手の攻撃意識を利用して71分に追加点を奪取する。キム・イノからチェン・タオがボールを奪ってゴールに突進し、キーパーに倒されてPKを獲得。主将カオ・ヤンが決めて3点目を奪い、勝利を決定付けた。 もちろんこの結果になったのは済州の戦術ミスによるところも大きかった。角度を付けた長いボールで裏を取ったり、ショートパスを繋ごうとした。要するに昨日の鹿島のようなサッカーをしようとしていたが、裏への飛び出しは前線の質の影響もあって効果がなく、パスはミスばかりでカウンターチャンスを与える。前半のうちにキム・ユンジョンを投入してツインタワーにし早い時間からパワープレーに移行したことは反撃の糸口にはなったが、最後まで得点は取れなかった。 |
セパハン | 1 | - | 1 | アル・ヒラル |
ナヴィドキア |
55' |
46' |
アル・ゾリ |
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イランリーグでほぼ優勝を手中に収めたといえるセパハンと、サウジリーグの優勝を既に決めているアル・ヒラル。ペルシャとアラビア、王者同士のカードは非常にスリリングで激しい内容となった。お互いに攻撃的なプレーを続けた結果、1-1の引き分けで終了した。 セパハンが狙うサッカーは素早い攻守の切り替え、縦に早く侵攻する攻撃、ダイレクトで繋ぐパスの連携、縦横無尽のポジションチェンジと追い越し。昨年ACLで活躍したゾブ・アハンに感化されたようなサッカーである。そしてアル・ヒラルもそれに対抗し、3バックとラドイ以外がボールを繋いで押し上がり、素早く前線に人数をかけて攻める積極的な戦術を採用していた。 お互いに攻撃は機能したが、守備はどちらも穴があった。セパハンはどうしてもシステムが崩れるために戻りが追いつかなかった場合に崩れる場面がある。アル・ヒラルは採用した3バックの選手がセパハンの2トップの動きを捕まえられず、トゥレをフリーにさせる場面が目立った。 試合が動いたのは46分、再開直後の隙を突いてアル・ヒラルが先制。後半になってゲームを作るためにボランチに下がったアル・シャルフーブの縦パスをヤセルが収めて左にパス。飛び出してきたアル・ゾリがDFを抜いてシュートを決めた。 しかしセパハンもその後得点を取り返す。55分、アル・ハルディのコントロールミスを狙ってナヴィドキアがカットし、そのままドリブルで持ち込みシュート。これが決まって試合は振り出しに戻った。 |
アル・ナスル | 4 | - | 0 | パフタコール |
ハムード アル・ムトワ アル・サフラウィ アル・ムトワ |
8' 24' 61' 65' |
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アル・ナスルがホームで素晴らしい内容のサッカーを披露し、パフタコールを圧倒。4得点を奪って快勝した。 3トップとセンターハーフとサイドバックが連動し、効果的な攻めを繰り出した。アル・ムトワが基点となり、ウイングが中に絞るとセンターハーフが斜めに開いてスペースでボールを受ける。それをさらにサイドバックがサポートする。パターンはそれだけではなく、時にはセンターハーフがサイドの奥深くで受けて、それをウイングが追い越すような場面も。サイドのスペースを3人で相互利用する流動的なサッカーを実現させていた。 また、時折繰り出す長いボールも相手のラインを下げることに効果を発揮。まるで欧州のトップチームのような組織力を見せつけた。 試合開始からわずか8分、中央に上がったアバスからのパスを左サイドに開いたアシリが受けてクロス、ハムードがヘディングで先制点を奪取する。さらに24分にはマケインの鋭いフィードから左にアル・サフラウィが飛び出し、クロスをアル・ムトワがゴールに押し込み2点目。 61分には3つめのゴールが生まれる。前線でボールを収めたハムードが左に流し、追い越したアシリがクロス。中央でぽっかりとフリーになったアル・サフラウィがヘッドでネットを揺らした。その直後にもアシリのスルーパスから左サイドをハムードが抜け出し、クロスをアル・ムトワがゴールに決めて4点目。大量リードで試合を終えた。 |
(筆:Qoly編集部 K)