現地時間12日から行われていた2016年欧州選手権予選の第3節の最終日に、大変残念な事件が発生している。グループIのセルビア対アルバニア戦が中止となったのだ。

セルビアとアルバニアはその歴史的背景から緊張状態が続いており、セルビアの首都ベオグラードで行われたこの試合でもアウェイのアルバニアサポーターの入場が禁じられていた。

しかし、試合中に悪夢が起きる。試合が行われたスタジアムの上空に、政治的メッセージが書かれた旗を吊るす無人飛行体がどこからともなくやってきたのだ。

このフラッグにはコソボの地図があしらわれており、アルバニア側の政治的メッセージも添えられていた。この飛行体をセルビア代表DFステファン・ミトロヴィッチが引きずり下ろし、そのことがアルバニアの選手を刺激。両チームが入り乱れる結果となった。

セルビア側のサポーターもピッチへと乱入し、アルバニア選手を攻撃。写真では椅子が飛び交うシーンも収められている。

逃げるようにしてロッカーへと戻るアルバニアの選手たち。その様子から恐怖の感情が読み取れる。二度と見たくない光景である。

主審を務めたマーティン・アトキンソンは試合を一時中断し再開を検討するため協議したが、およそ30分後、試合の中止が決定された。UEFAは中止の理由を"Pitch Disturbance(ピッチ上への妨害行為)"としている。おそらく、両国には厳しい処分が科せられることになるはずだ。

セルビアはこの試合が始まる数分前、U-21代表が目下35戦負けなしのスペインを2-1で下し見事翌年に行われるU-21欧州選手権への出場権を獲得したところであった。歓喜の一夜が政治的な騒動で台無しになったことに、大きな失望を覚える。

なお上述した無人の飛行体だが、アルバニア大統領の弟が飛ばしたもので後に逮捕されたという情報がある。仮に事実であれば政治的大問題になりかねないだけに、続報が待たれる。

※追記

ミトロヴィッチが飛行体に吊るされていたバナーを回収してからの映像はこちら。少しショッキングなシーンもあるので、閲覧にはご注意を。