続いては、平均入場者数の増加人数で見たランキング。ここでのトップは、四国勢初のJ1昇格を成し遂げた徳島ヴォルティス。前年比104.3%増、つまり2倍以上という大幅な伸びを見せた。

とはいえ、徳島にとってクラブ史上初のJ1は苦い記憶ばかりが残るものだった。勝ち点は2012年のコンサドーレ札幌、2013年の大分トリニータと並ぶ、現行方式で史上最低タイの14。天皇杯2回戦の鹿児島ユナイテッド戦以外、ホームで勝利をあげることもできなかった。

チームの心臓であった柴崎晃誠、濱田武というボランチコンビの一角、柴崎がサンフレッチェ広島へ引き抜かれた時点で正直苦戦は免れられなかったものの、それでも開幕から公式戦11連敗は想定外。シーズン中にロンドン五輪日本代表の村松大輔やエステバン、アドリアーノといったJ1でも実績のある選手を獲得。苦境を何とか打開しようとしたが、モンテディオ山形で3年間J1を戦った小林伸二監督をもってしても今回の挑戦は難しかった。

ただ、クラブはJ1最終節の翌日、小林監督との契約更新を発表。監督自身も「去ることのほうが楽で、残るほうが厳しいことも分かっていますが、そこは覚悟の上でのチャレンジです」と語ったように、J1での悔しい思いはクラブや若い選手たちにとって初めて経験するものであり、それを糧にしていけるかどうかは今後にかかっている。

最終節、優勝が懸かるガンバ大阪との一戦には過去最多の17,274人が詰めかけ、その中で徳島は懸命に戦い抜き、勝ち点1を獲得。この1ポイントを今年のJ2での戦いに繋げていくことが彼らにとっては重要だ。

徳島とは逆に、横浜FMは平均で4,500人近いマイナスになってしまった。

2013シーズン、最終節で広島にまさかの逆転優勝を許した名門チームは、実績十分のマルキーニョスがチームを去り、代わりに獲得したFWが伊藤翔と矢島卓郎。この時点で厳しい一年になることを予想したファンも少なくなかったことだろう。

実際、リーグ戦で開幕3連勝は飾ったもののACLとの掛け持ちもあって徐々に順位を落とし、中断期間を迎えた時点で12位。7月に元ガンバ大阪のラフィーニャを獲得したことでやや持ち直したが、27歳のブラジル人ストライカーは翌月に足首の負傷で離脱。この怪我が長引き、決め手を欠いたチームは結局7位に終わっている。

そしてクラブは先月、資本提携しているマンチェスター・シティも傘下に置く持ち株会社、シティ・フットボール・グループとの連携で、フランス人のエリク・モンバエルツ氏と基本合意に達したことを発表。2002年のセバスティアン・ラザロニ氏以来となる外国人監督のもとでベテランが多いチームの再編成を進めることになる。