5.両指揮官の歴史。相性を考える。
4でも述べたように、マキシミリアーノ・アッレグリはバルセロナとの相性が比較的良い指揮官だ。バルセロナにとって「天敵」というイメージがあるのは、彼とジョゼ・モウリーニョくらいのものではないだろうか。
特にACミランとバルセロナに戦力的な差があったことを考慮すると、アッレグリの見せたパフォーマンスは称賛に値するものだろう。ベスト16で対戦した2012-13シーズンは、結果的にバルセロナの勝ち抜きを許したものの1勝1敗。その2011-12シーズンには、グループリーグを含めて4試合で2分け2敗。
世界屈指の強豪相手に少なくとも50%の確立で引き分け以上に持ち込んでいるという事実は、数字上でも相性の良さを示している(動画は2013年2月20日、ミランが2-0で1stレグを制した試合)。
では、ルイス・エンリケとマキシミリアーノ・アッレグリの相性はどうだろう。ACミランを率いていたマキシミリアーノ・アッレグリは、ルイス・エンリケが率いたローマに対して3-2、2-1で勝利している。試合後に、指揮官エンリケはローマの健闘を称えたとはいえ、良いイメージがある相手という訳ではないだろう。
とはいえ、サンプル数自体は多い訳ではない。指揮官同士の相性は、そこまで悪いものとは言い切れない。
一方で、ユベントスとルイス・エンリケの相性は良くないといってもいいだろう。2011-12シーズンでコッパ・イタリアを含めて3試合をこなしたが、結果は1分け2敗。結果だけでなく内容も悪く、コッパ・イタリアでは3-0、リーグ戦では4-0という大敗を喫している。
特に4-0となったリーグ戦では、アルトゥーロ・ヴィダルの2得点に加え、マルキージオとピルロが得点。そしておそらくこの全員が、今回の試合でも先発することになる。そういう意味では、相性だけを考えるとルイス・エンリケが不利という見方もあるだろう。
Today is the day! @Juventusfcen v @FCBarcelona in the #UCLfinal pic.twitter.com/dZhmee99A5
— Champions League (@ChampionsLeague) 2015, 6月 6
それでも、フットボールは歴史だけでは語れない。ジンクスは、覆されるためにその時を待っているものだ。各国王者を粉砕し、世界最高の選手リオネル・メッシが牙を研ぐ今、雪辱を晴らすタイミングとしては最高のものになる。