7日、日本スポーツ学会による第6回スポーツ学会大賞記念講演会が東京・大塚の筑波大学東京キャンパスで開催された。

講演を行ったのは、今年1月のFIFAバロンドール授賞式でジョセフ・ブラッター会長からFIFA会長賞を授与された、90歳の現役サッカーライター、賀川浩氏。

今回、日本スポーツ学会は「長期にわたる取材活動や記事の執筆などを通じ、スポーツジャーナリズムのみならず日本のサッカーやスポーツの振興・発展に多大なる貢献をされたため」として、2015年度の「スポーツ学会大賞」に賀川氏を選出。「第100回スポーツを語る会」がその記念講演となった。

『サッカーの興隆』という演題で、現代フットボールの成り立ちから日本への伝来、1921年の日本サッカー協会(JFA)設立や代表チームの歴史など、日本人にとってのサッカー史を改めて紐解いた賀川氏。

1964年の東京オリンピックにおいて、唯一関西で開催されたサッカー競技の5・6位決定戦「大阪トーナメント」にまつわる秘話や、「日本サッカーの父」デットマール・クラマー氏と少し前に再会した際のこと、さらには自身の戦争体験とその中でのサッカーとのつながりについても語った。

質疑応答では、「サッカーは練習をもっとした方が良いのではないか?」という元野球少年で現在子どもがサッカーをしている方からの問いに対し、「野球から学ぶべきことがある」と返答。ケヴィン・キーガンが語った「ヘディングの上手さは回数に比例する」という言葉を例に、野球のようなポジションごとに個人に求められるプレー、必要な技術の鍛錬がおろそかになっているとし、「“ボールを蹴る”ことよりも“ボールに慣れる”ことが重視されすぎているのではないか」と現状を危惧していた。

他にも若い質問者から「釜本邦茂」について尋ねられると、写真からでも分かるその凄みを解説するなど、最後はやはり賀川氏らしい技術論をベースとしたサッカーの話で講演は幕を閉じている。

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