試合中に数式を解く

そんなニールスだが、ゴールキーパーと学者の両立は大変だったようだ。あるエピソードが残されている。

ミットヴァイダというドイツのチームと戦っていたが、自チームは敵陣のフィールドに攻めっぱなし。そこで、暇を持て余したニールスは、ゴールポストに数式を書き始めたという。

ボールを奪ったミットヴァイダの選手が大きなクリアをすると、観客は(数式を解くのに夢中で)それに気がつかないニールスに叫んで知らせたというのだ。

何とも学者らしいエピソードだが、ボーア兄弟は、他にもクリケット、ハンドボール、バスケットボールもプレーしていたという。

弟、子孫は?

ニールスはデンマーク代表capがあったのかは定かにはなっていない。しかし、弟ハラルトは1910年まで代表でプレーした後引退した。数学者の道に進んだハラルトだったが、そのために講演では学者よりもサッカーファンの方が多かったというエピソードが残されている。

ニールスの息子オーゲ・ニールスは1975年のノーベル物理学賞を受賞、その弟アーネストは1948年のロンドン五輪でこちらはホッケー代表としてプレーした。文武両道ここに極まれりである。

写真は、後年のボーア兄弟。彼らが所属していたABは今では9度のリーグ優勝を誇る古豪である。2015-16シーズン現在は、デンマーク3部にあたる2ndディヴィジョンに属している。