フランシス・コクラン
(アーセナルMF)
「(数週間後、合格の通知が入った)
その時の授業が何だったのかは覚えてないんだけど、ポケットに入れていた携帯電話が震えたように感じたんだ。
そして、先生の目を盗んでそれを見たら、なんだか見慣れない番号でね。休憩時間にそのボイスメールを見たら、それがボス(アーセン・ヴェンゲル監督)だったんだ。
彼は、練習で僕がやったことに本当に満足していて、クラブに来て欲しいと話していたんだ。
フランスでは、彼は代表戦でコメンテーターを務めているから、彼の声には誰もが気付くんだ。
僕の友人はそのメッセージを聞いて、『本当だ! ヴェンゲルだ! 凄え!』と騒いでいたよ。何だか奇妙な感じだった。
誰もが僕のところに来てそれを聞いていくんだ。そのボイスメッセージは30回は再生したね」
「(ロンドンでの新生活について?)
家族と離れなければいけなかったので、難しい判断だった。しかし、自分にとって前に進むための時間だと考え、行くことにした。
最初は難しかったよ。僕は若かったし、ホテルにいても何もすることがなかった。友人はいないし、言葉は喋れない、食べ物も違う。それは難しいよ。
その後僕はファーストチームでのトレーニングに入った。同じ年代の選手はリザーブにいて、僕が話せる相手はジレ・スヌしかいなかった。
彼はその時に怪我をしたから、1ヶ月間は自分にとって難しかったね。しかし、僕を大いに助けてくれたのは、家族がイングランドへ泊まりに来てくれたことだね。
彼らはまだ本当に近くにいると感じているし、家族の一員であると感じる。それは多くの助けになる。彼らと毎日話をし、少しだけ自宅のように感じる。
ピッチの上でも少し良い感じだった。また、言葉も喋れるようになってきた。最初の年は正直に言えば信じられないほどのものだったね」
コクラン、『凄え!ヴェンゲルだ!』と入団時のエピソードを明かす
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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