チェルシーは、どのように流れを変えるべきか?

今回は3つの仮説からチェルシーの不調の原因を探ってみたが、実際は更に多くの要因が複雑に絡み合っていることだろう。

最も即効性がありそうなのは、当然選手の補強である。

守備的MFとCFの補強は必須なので、冬の移籍市場では動きが見られるはずだ。また、中盤にオスカルとウィリアンを同時に起用することによってボランチの負担を減らすという手段もある。実際リバプール戦は、このシステムが途中までは機能しており、相手の攻撃を制限出来ていた。

ウィリアンの負担を減らすことも必要だ。ここまで孤軍奮闘してきたブラジル代表MFは、名実共にチームの柱。彼が折れてしまうようなことになれば、チェルシーの復活には期待出来ない。

ラミレスのサイド起用なども、状況に応じて必要になりそうだ。まずは攻撃ではなく守備から入らなければ、現状の閉塞感を打開することは難しい。ロフタス・チークやケネジ、ズマやアブドゥル・ラーマン・ババといった若い選手達にもチームに刺激を与える効果を期待したい。

ジョゼ・モウリーニョの解任は、莫大な違約金や決定的な代役の不在などで難しい状況だ。

アンチェロッティは後釜としての短期政権ではなく長期政権を望んでおり、シメオネやペップ・グアルディオラの将来も不明確。モウリーニョを超えるとまでは言わないが、ある程度実績がある後釜が見つからない状態で、違約金を払って動くのにはリスクが大きすぎる。アレックス・ファーガソンも、何度となく苦難を超えて長期政権を成し遂げた。

「インテルに来た時には、チームが壊れていた」とラファエル・ベニテスに指摘されたように、ジョゼ・モウリーニョがこれまで「短期サイクル」でのチーム作りをしてきたという側面はあるのだろう。「アーセン・ヴェンゲルやアレックス・ファーガソンの様に長期政権を築く」、という現代では御伽噺になりつつある難題に、「スペシャル・ワン」はどのように向き合っていくのだろう。

それが成功した時、彼は1つ高い壁を越えることになるのかもしれない。

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