ラニエリの見せた適応力

右サイドに比較的流れながらのプレーを好むヴァーディー、右サイドのマフレズ。中央での岡崎にもボールが収まらない状態で、主導権はリヴァプールへ握られた。

だからこそ、ラニエリは後半動く。体調が悪かったらしいヴァーディーを下げ、マフレズを中央へ。これは、ある意味でリヴァプールの攻撃・守備の両面を支えていた「レスターにとっての起点」を変化させようという策でもあった。

また、2トップにもクラマリッチとウジョアを投入して、最後までリヴァプールに抗った。シティ戦では3センターを採用したように、彼らには未だにオプションが残っている。冬の移籍でチームの層を更に厚く出来れば、序盤でのリードを生かして上位でのフィニッシュも可能だろう。レスター・シティが目指す御伽噺のエンディングは、まだ手の届く範囲にある。

ここから、レスター・シティは対策される側に回ることになる。メッシやクリスティアーノと並んでスペイン紙に特集されたアルジェリア代表のリヤド・マフレズ、プレミアリーグの連続得点記録を塗り替えたアマチュア上がりのジェイミー・ヴァーディー。彼らへのマークも、更に激しさを増してくるだろう。

岡崎慎司も、リヴァプール戦の様に前を向かせてもらえない場面が増えてくるかもしれない。過密日程での選手のコンディションも、当然心配すべきファクターだ。昨年の前半絶好調だったサウサンプトンが直面した壁が、ここからレスター・シティにも襲い掛かる。

対策のスペシャリストが揃う猛者の国、イタリアを生き抜いてきたラニエリの知識が、どのようにその対策を打ち破って行くのか。今後も、フォレスト・ガンプと知将の物語から目が離せない。

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