オシムは日本代表監督を務めていたころ「Jリーグに第4の外国人枠としてGK枠を設けたらどうか?」と提言していたことがある。イングランドのサポーターとは正反対に「より激しいレギュラー争いを制して試合に出場することでレベルをあげよう」というものだ。
どちらが正しいかは別として海外の選手を獲得することではじき出される選手が出るのは間違いがない。では、日本人GKのレベルは低いのだろうか?
私はそうは思わない。確かに身長は他の国に比べれば高くないが、それを補う技術を持ちあわせる選手が多い。ただ、レベルの高いGKはフィールドプレイヤー並みにコストが高いのだ。
2015年Jリーグにやってきたアブラモフ(FC東京)はフリーでの獲得、カミンスキー(ジュビロ磐田)も年棒2500万円とコストパフォーマンスに優れている。彼らは母国でユースもしくはA代表のキャリアを持つにも拘わらずである。それに対して、日本代表クラスの選手は年俸4000万円以上が必要なのだ。
2015年のJ1高年俸ゴールキーパー
1位 楢﨑正剛(名古屋グランパス)9000万円
2位 西川周作(浦和レッズ)8000万円
3位 曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)6500万円
4位 東口順昭(ガンバ大阪)6000万円
5位 林彰洋 (サガン鳥栖) 4500万円
6位 林卓人(サンフレッチェ広島)4000万円
今回獲得した韓国代表プレイヤーはキム・スンギュ(ヴィッセル神戸)が移籍金1.4億円、チョン・ソンリョンの年俸が5820万円ではないか?と言われている。これは日本代表クラスに匹敵する額であり決して安くはない。
だが、かつて年俸1億円とも呼ばれていた“チョン・ソンリョンにしては”かなり低い額であり、Kリーグよりはまし、日本で活躍すれば再び高年俸を獲得しやすいだろう、という読みがJリーグへの移籍を誘発したのではないかと見られている。