鹿島アントラーズにとって、2016年シーズンは真価が問われる1年となる。

1stステージでの低迷、指揮官交代、ナビスコカップでの戴冠。昨シーズンを振り返るとまるでジェットコースターのようだった。

しかし、新シーズンは腰を据えた戦いが期待できる。石井正忠監督はキャンプから「素早い攻守の切り替え」を徹底してきた。明確なビジョンを持つ指揮官のもと、昨シーズン終盤に掴んだ浮上の機運をどれだけモノにできるか。その意味で真価が問われるのである。

今回の鹿島リポートでは、基本システムの4-4-2を想定したポジションごとの戦力分析を行い、覚悟のシーズンを占っていきたい。

ゴールキーパー「新時代の到来なるか」

昨シーズンは佐藤昭大(現・ロアッソ熊本)がポジションを奪うなど、不動の守護神・曽ヶ端準の牙城が揺らいだ1年でもあった。最終的に曽ヶ端がレギュラーに返り咲いた訳だが、新シーズンは強力なライバルが加入した。

U-23代表の正GK・櫛引政敏である。

カタールで開催されたAFC U-23選手権2016では、好セーブを披露し、優勝及びリオ五輪出場権獲得に多大な貢献をした櫛引。元来そのポテンシャルは高く評価されており、+偉大な背番号21と切磋琢磨することで更なる成長が見込める。

レンタルでの加入だが、活躍次第では完全移籍で獲得する運びとなるだろう。櫛引が新たな時代を茨城の地で築けるか注目だ。

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