(日本時間)5月7日の24時から開催される、アーセナル対マンチェスター・ユナイテッド。今季は両クラブ共に満足のいくシーズンではなかったが、世界的なビッグクラブ同士の対戦ということもあり、今もなお注目される一戦であることは言うまでもないだろう。

さて、この両クラブの関係性には様々な特徴があるが、その一つが「移籍」に関することだ。

移籍が日本茶飯事のサッカー界では、有名選手がライバルクラブの間を行き来することも決して珍しくないが、ことアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドにおいては意外にも少ない。

100年以上に及ぶクラブの歴史の中で、これまでに両クラブ間で発生した移籍ケースは15例。ライバル色が強まった1990年代以降に焦点を絞ってみると、数えられるほどしか存在しないというのは驚きだ。

両クラブを愛するサポーターであれば、そらで言えるかもしれないが、その事例を順に振り返ってみよう。

アンディ・コール

1989~1992:アーセナル
1995~2001:マンチェスター・ユナイテッド

前述の通り、ライバル意識が強まった1990年代に入って初めて発生した移籍が、アンディ・コールだ。だが、プレミアリーグ通であっても「ん?アンディ・コール?」というリアクションが大半かもしれない。それもそのはず。彼は、アーセナルのユースで育ったものの、トップチームにおけるリーグ戦出場試合数はわずかに「1」しかないためだ。

しかし、当時を知るアーセナルサポーターは「何故、もう少し辛抱できなかったのか」とクラブの決断を悔やんでいることだろう。1992年にブリストル・シティに安値で売却された後、1993年に加入したニューカッスルで爆発。1995年1月にはマンチェスター・ユナイテッドに電撃移籍を果たし、プレミアリーグを代表するストライカーとして名を馳せたのは有名は話だ。

最終的にマンチェスター・ユナイテッドでは、2001年まで活躍し、プレミアリーグでは195試合で95得点を記録。もはやアーセナル時代の“それ”と比較する必要はない。