今季Jリーグの門を叩いたルーキーは120名以上。そして、そのうちピラミッド最上位に位置するJ1クラブに加入したのが50名近くで、さらにその中から既にトップチームデビューを飾った選手となれば、数えられるほどだ。

しかし、その中でも可能性を感じさせてくれる才能が確実に台頭しているのも事実。今回のコラムでは、限られたチャンスの中で出場時間を掴み、注目度が上昇しているルーキーの中から選りすぐりの三人を紹介しようと思う。

原輝綺(アルビレックス新潟)

生年月日:1998年7月30日(18歳)
身長:178cm
体重:70kg
ポジション:MF
背番号:34
利き足:右足

現時点で「2017シーズンにおけるJ1のNo.1ルーキーを決めろ」とのお題が与えられたら、J1開幕節でアルビレックス新潟史上初となる高卒スタメンを飾り、以降もチームの心臓部を担い続ける彼が最右翼となるだろう。

プロ入り前のタレコミ情報では「守備的なポジションであればどこでもこなせるユーティリティ性」が最大の武器のような印象だった。実際、今季も開幕から出場してきたボランチ以外にも左サイドバックでプレーするなど、その万能性も十分に活かしている。しかし、“便利屋”と片付けるのはあまりにも雑な表現だ。それほどまでに彼の貢献度は大きい。

アルビレックス新潟は、攻守にエネルギッシュなプレーを身上とするチームだが、原は若くしてそのチームスタイルを体現している。守備では労を惜しまぬチェイシングと気の利いたカバーリングで周囲を支え、攻撃では前線のパスワークに関与。1試合における走行距離ランキングにおいても上位に度々ランクインするなど、その運動量は既にJ1でもトップクラスだ。

元々、守備時に真価を発揮することが多いタイプ故に、攻撃面でのクオリティーはまだまだ物足りない印象だが、末恐ろしいタレントであることは改めて言うまでもない。高卒とは思えぬ、冷静さとクレバーさを兼ね備える若武者はどのような成長曲線を描いていくのだろう。

まずは、U-20日本代表として参加する『FIFA U-20ワールドカップ』で、世界の同世代相手にその実力がどこまで通用するかに注目したい。

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